2013 Fiscal Year Research-status Report
CpGオリゴヌクレオチド刺激による抗原特異的抗体産生活性化機構の解明
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25420845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
羽生 義郎 独立行政法人産業技術総合研究所, バイメディカル研究部門, 主任研究員 (20357792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗体 |
Research Abstract |
本研究では、CpGオリゴヌクレオチドによる抗体産生細胞活性化のメカニズムの解明を目指し、効率的な抗体作製技術の樹立を行う。この抗体産生細胞活性化の定量的評価には、作られる抗体の機能の正確な測定が必須である。平成25年度は、抗体産生細胞から抗体遺伝子を単離・再構成し、抗体を発現させ、その特異性・親和性を解析する手法の確立を行った。従来は、抗体重鎖遺伝子と抗体軽鎖遺伝子を単離後、PCR法により、二つを連結し単鎖抗体を作成し、その結合活性を解析していた。この方法は、PCR法による増幅反応を用いるので、遺伝子の欠失・挿入・置換が起こりやすく、また抗原認識部位の大きな多様性のために、均質なPCRが阻害され、特定の遺伝子のみが増幅され、抗体ライブラリーの大きさが著しく縮小する欠陥があった。 良質な抗体ライブラリーを得るためには、PCR法を用いる事なく、2つのDNAフラグメントを結合させ、しかも一本鎖DNAとしてむき出しになる領域を少なくかつ一本鎖DNAが生じる時間をできるだけ短くする手法を開発する事が必要である。そのため本研究では、免疫したマウスから脾臓細胞を取り出し、CpGオリゴヌクレオチドを加え、一定期間培養後にRNAを単離し、cDNAを合成し、重鎖遺伝子・軽鎖遺伝子をPCRにより増幅する際に、連結部分のプライマーにリンカー配列を付加し、その5’端にリン酸を付加した。得られた2種類のDNA断片のそれぞれのリン酸化5’末端をλエキソヌクレアーゼで消化して、リンカー部分を一本鎖化させ連結させた後、BstDNAポリメラーゼにより3’方向に残っている相補鎖をはがしつつ、新たな相補鎖を合成させて(鎖置換合成)、リンカーで繋がれた重鎖遺伝子と軽鎖遺伝子の完全な2本鎖の作製に成功した。ライブラリーの多様性を確保したことにより、抗原特異的単鎖抗体の樹立を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、CpGオリゴヌクレオチドによる抗体産生細胞活性化のメカニズムの解明を目指し、効率的な抗体作製技術の樹とを目指している。抗体産生細胞の活性化メカニズム解明には、その活性化の度合いを定量的に評価することが重要である。すなわち、誘導される抗体ライブラリーの大きさ、その中の抗体の特異性・親和性の高さの評価が本質的に重要となる。このような評価のためには、タンパク質として抗体を扱っているだけでは、不十分であり、抗体遺伝子ライブラリーの大きさの測定や抗体遺伝子から抗体を作成し、その機能評価を行うことが必須である。初年度である平成25年度に、抗体産生細胞から単鎖抗体を効率的に作成する手法を確立できたことは、抗体産生細胞活性化の定量的評価法を手に入れることができたことを示しており、本研究がおおむね順調に進んでいることと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、抗体産生細胞から単鎖抗体を効率的に作成する手法を確立できた。これは、抗体産生細胞活性化の定量的評価法を手に入れることができたことを示している。今後は、この評価方法を用いて、CpGオリゴヌクレオチドによる抗体産生細胞活性化のメカニズムの解明を行っていく予定である。またCpGオリゴヌクレオチドによる抗体産生細胞活性化には、他の因子との相乗効果も発見しているのでその作用機構の解明を合わせて行っていくことが重要であると思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、CpGオリゴヌクレオチドによる抗体産生細胞活性化のメカニズムの解明において、実際にCpGオリゴヌクレオチドを用いて刺激による抗体産生細胞の変化、すなわちサイトカインの分泌量の変化を調べる前に、抗体産生細胞活性化の定量的評価をすることが重要であることから、抗体遺伝子の単離とその再構成の研究を行った。このため、当初予定していた高価なCpGオリゴヌクレオチドの購入やサイトカイン測定試薬を購入する必要がなくなり、平成25年度の使用額が減少した。このため、次年度使用額が生じた。 平成26年度では、平成25年度に確立した抗体産生細胞活性化の定量的評価を用いて、CpGオリゴヌクレオチドの抗体産生細胞の活性化を詳細に決定していく。また同時に、平成25年度に計画していたCpGオリゴヌクレオチドを脾細胞培養系に加えることによるサイトカイン発現プロファイルの測定を行い、各種細胞の分化を確定していく予定である。次年度使用額はその研究に使用予定である。
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Research Products
(1 results)