2015 Fiscal Year Research-status Report
神経突起の分岐を制御するシグナル分子とその変異体マウスの脳組織に関する解析
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25430033
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岸 将史 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別協力研究員 (60573938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 行動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、研究代表者が神経細胞の形態変化をもたらす蛋白キナーゼ分子を探索する過程で見出したBrancKについて、その遺伝子欠損マウスの作製と表現型解析を行うものである。これまでに、BrancK欠損マウス脳内で神経突起の軽度形成不全が確認されたが、そのメカニズムを明らかにするため、当該マウス脳にてリン酸化の低下する蛋白質の同定などを試みてきた。但し、これまでにそれを説明できるような解析結果は得られていないので、今後は所謂キャンディデートアプローチによる分子同定に計画を変更する予定である。また、研究グループが新潟大学より生理学研究所へ移ることなり、解析対象であるマウスの凍結胚作製、移動や動物実験施設への導入に係るクリーニングなどにかなりの時間を要した。また、異動先で行動解析実験を行う際の共同研究者が栄転となり、そのスケジュールに合わせるため、補助事業期間の延長を申し出た。当研究課題はH28年度まで行われることとなった。生理学研究所へ異動後は、神経突起の分岐形成に関わる因子BrancKの遺伝子欠損マウスについて、行動解析実験に必要な数のホモ接合体、及び野生型リッターメイトの確保を行った。体重、体温、各種反射、筋力、活動量、不安様行動、痛覚感受性、社会的行動、協調運動、運動学習、感覚-運動ゲーティング、鬱様行動、記憶・学習、固執傾向、恐怖条件付け、サーカディアンリズム等を測定できる網羅的行動テストバッテリーを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究グループやマウスの引越しにかなりの時間を要したため。共同研究者との実験スケジュールが合わなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中の行動解析実験の結果次第で論文作成を行う予定である。具体的には、体重、体温、各種反射、筋力、活動量、不安様行動、痛覚感受性、社会的行動、協調運動、運動学習、感覚-運動ゲーティング、鬱様行動、記憶・学習、固執傾向、恐怖条件付け、サーカディアンリズム等を測定できる網羅的行動テストバッテリーを行う。
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Causes of Carryover |
マウス行動実験に用いる分と論文出版費用分の経費はH28年度中に用いるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
行動実験のために飼育するマウスの飼育経費に20万円程度と、その飼育に関わる実験補助員の雇用に20万円程度、オープンアクセスジャーナルへの論文出版に50万円程度の出費を見込んでいる。
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