2016 Fiscal Year Annual Research Report
Targeted disruption of a gene that encodes a signaling molecule for a neurite branching.
Project/Area Number |
25430033
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岸 将史 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特別協力研究員 (60573938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経突起 / シナプス / ミトコンドリア / 行動テストバッテリー / 酵母two-hybrid法 / エネルギー産生 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経系に発現する蛋白キナーゼについて遺伝子発現ベクターを多数用意し蛍光タンパク発現ベクターと共に神経細胞株に発現させ、細胞形態を観察するというスクリーニングを行った。その結果、ある分子が神経突起の分岐を誘導するということが分かったので、それをBranching Kinase (BrancK)と名付け解析を継続している。 BrancKについては、その生理機能を明らかにするため、ノックアウトマウスを作製し、神経突起分岐の低形成を確認した。また、行動テストバッテリーによる行動解析を行い、軽度の行動異常を見出した。更に細胞生物学的な解析を行ったところ、酵母two-hybrid法によってBrancKの上流因子や下流因子と思われる分子が複数見出され、その役割について今後の検討が必要と考えられた。 行動異常については更なる解析を行い、薬剤を用いた症状の軽減が見られないかどうか、ヒト疾患との関連を行動異常の面から見出されないかどうか検討した。また、ヒト疾患の責任遺伝子がマップされている染色体領域とBrancKの遺伝子座との関連を調べた。 解剖学的には幅広い神経領域での神経突起異常が見出されたが、本研究では海馬の形成異常と末梢神経の走行異常を中心に解析した。 細胞生物学的にはミトコンドリア機能との関わりを有する分子との結合について解析を行っている。本研究期間内での完了は難しかったが、今後、神経突起の伸長や分岐・シナプス形成とミトコンドリアによるエネルギー産生との分子的な関わりについて大きな前進を期待できる成果が得られたものと考えている。
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