2014 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍環境における慢性炎症・免疫細胞の機能解析と癌治療への応用
Project/Area Number |
25430103
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
城田 英和 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50451555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 弘康 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80373075)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 腫瘍免疫 / マクロファージ / 腫瘍微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの進展と転移には腫瘍微小環境における免疫細胞が重要な役割を示す。本研究の目的は患者サンプルとマウスモデルを用い腫瘍細胞に浸潤している免疫細胞に注目し、腫瘍微小環境における炎症パターンや免疫細胞の種類、または様々な炎症反応の発現レベル(特に抑制系のサイトカイン・メディエーターの発現)を解析し、腫瘍の進展に伴って誘導される慢性炎症の役割を明らかにしていく。 1.大腸癌より得られたマイクロアレイの解析からいくつかの新しい知見を得ており、特に癌組織へのマクロファージの浸潤は予後不良因子となりえることが判明し現在、詳細な解析をしている。 2.マウスのMDSCはTLR9 LigandであるCpG DNAの刺激によって抗腫瘍効果をもつマクロファージに分化することを近年報告した。今回、我々はMDSCを患者より単離し、解析を行いTLR7/8 Ligandの刺激で抗腫瘍効果を持つマクロファージに分化誘導できることが判明した。TLR7/8 Ligandはマウスにおいて強力な抗腫瘍効果を認めるためヒトへの応用が期待される。 3.マウスを用いたトランスレーショナルスタディーから癌細胞を早期に認識し、IL-4を産生するユニークなT細胞群を発見した。このT細胞群が腫瘍微小環境を形成するのに重要な役割を果たしていることが判明した。現在さらに詳細な解析を行い、がん患者の検体を用い同様な現象が認められるか解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のようにほぼ計画通りに実験が進み、研究結果がでている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.マイクロアレイから得られた新しい知見からフォーカスを絞り詳細に解析していく。 2.TLR7/8 ligand によるMDSCのマクロファージ分化についてメカニズムを解析していく。 3.マウスモデルより得られた腫瘍を早期に認識するT細胞はおそらく濾胞T細胞である。このT細胞をさらに詳細に解析していく。
|
Causes of Carryover |
研究はおおむね計画通りに振興していたが、実験に使用を予定していたマウスの供給が間に合わず、それにより一部進行していない状態があったため、次年度使用となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスを使用した実験のために十分なマウスの供給を確保し計画通りに進めていく。
|
-
-
-
[Journal Article] IFN-gamma AU-rich element removal promotes chronic IFN-gamma expression and autoimmunity in mice.2014
Author(s)
Hodge DL, Berthet C, Coppola V, Kastenmüller W, Buschman MD, Schaughency PM, Shirota H, Scarzello AJ, Subleski JJ, Anver MR, Ortaldo JR, Lin F, Reynolds DA, Sanford ME, Kaldis P, Tessarollo L, Klinman DM, Young HA.
-
Journal Title
J Autoimmun.
Volume: 53
Pages: 33-45
Peer Reviewed
-
-