2014 Fiscal Year Research-status Report
好中球の活性酸素産生および遊走におけるARFの機能
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25440051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
真崎 雄一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60311304)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 好中球 / 遊走 |
Outline of Annual Research Achievements |
好中球は、ヒトの白血球の半数以上を占める重要な免疫細胞であり、その主な役割は、体内に侵入してきた病原体へ向かい、病原体を貪食し、活性酸素によって殺菌し、体内から病原体を排除することである。これらは、いずれも巧みに制御されているが、なかでも活性酸素は、生体組織に傷害を与え、炎症を引き起こし、生体に大きなダメージを与えることから、その産生は必要な場所のみで行われるように厳密に制御されている。この活性酸素産生のメカニズムが解明されれば、その産生を制御し、炎症をコントロールすることも可能になることから、その解明が待ち望まれる。しかし、そのメカニズムについては、未だ多くの謎が残されている。これまでに、申請者らは、膜輸送に関わる低分子量Gタンパク質ADP-ribosylation factor (ARF)のGuanine nucleotide exchange factor (GEF) とGTPase-activating protein (GAP) が、好中球の活性酸素の産生と遊走のいずれにも深く関わっていることを明らかにしている。そこで、好中球の活性酸素産生のメカニズムを解明し、活性酸素の産生をコントロールする手掛かりを得るために、本研究では、特にARFに注目し、好中球の活性酸素産生と遊走におけるARFの機能を明らかにする。 今年度は、好中球の遊走とARFとの関係を明らかにするために、AFRのGEFの一つであるGBF1に注目し解析した。その結果、特定のARFのアイソフォームによって、細胞骨格の制御に関与するタンパク質が、細胞前端部へ運ばれていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の移動によって実験環境が変化したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究から、fMLP刺激によって、特定のARFのアイソフォームが活性化し、細胞骨格の制御に関与するタンパク質が細胞前端部へ運ばれることが示唆された。 今後は、このARFのアイソフォームによって細胞前端部へ運ばれるタンパク質群を解析し、好中球の活性酸素産生及び遊走とARFとの関係を明らかにしていく予定である。
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