2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25440097
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水野 武 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (30281629)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | タンパク質品質管理 / HSP90 / DNAポリメラーゼα / CHIP / 細胞核 / 品質管理 / 塩化コバルト / NIH3t3細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAポリメラーゼαの温度感受性変異体細胞株由来のDNAポリメラーゼαの触媒サブユニットp180を培養細胞内において制限温度下で分解するメカニズムの解明を試みている.これまでの結果から、たどり着いた作業仮説は『核内の変性タンパク質の分解系には.構造異常を来したタンパク質を幅広く認識出来るHSP90が検出し、CHIPがユビキチンリガーゼとして働きプロテアソーム活性化因子PA28gammaを介して核内のプロテアソームにおいて分解される』という物である.核内タンパク質品質管理に働く因子がそろったと考えられた.これまでの実験結果を異なるアプローチでも追試出来るかどうかが仮説を検証する上で最も重要になると考えられ、その検証方法として生細胞観察による実験のデザインを考えた.そのために光刺激型GFPであるkikumeとp180の融合プラスミドの構築を試みた.この光刺激型GFPにより、1細胞レベルでの細胞質、細胞核内でのp180変異体の寿命を測定する。さらにsiRNAや阻害剤存在下での観察を行い、上記の作業仮説の検証を終える.そして、上記仮説の中で最も鍵を握る因子としてCHIP(Carboxy terminus of Hsp70-Interacting Protein)に着目した.CHIPの局在は主に細胞質であるが、核内で神経変性疾患原因因子と共局在することも報告されている.そこで、CHIPがNIH3T3細胞において、どのように核に局在するかどのような環境下で核に局在するかを知ることが重要と考え、NIH3T3細胞のCHIPの細胞内局在を解析した.その結果NIH3T3細胞において、マウスCHIPは主に細胞質に局在し、塩化コバルト添加により一部が核に移行することを見いだした.さらに一過性過剰発現させたCHIPもNIH3T3細胞内で塩化コバルト添加により核に移行した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞光刺激型GFP誘導体発現プラスミドの構築に手こずり時間を費やしたが、技術的な問題点が解明され、プラスミド構築の効率が格段に改善された.kikume-p180のタイムラプス画像の最適化をようやく進めることができ、本来の実験目的に戻ることができ、今後阻害剤、siRNAの効果を検証し、作業仮説の検証が終了する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
核内品質管理機構の解析は免疫沈降法の追試を行い、異なる阻害剤の効果を追試し、光刺激型GFPを用いた1細胞観察による実験系で追試した所で、論文にまとめる.核内品質管理機構の一般化を目指し、遺伝病、神経変性疾患等の疾病ヘの応用の展開の礎とする.
|
Causes of Carryover |
光刺激型GFPの発現プラスミドの構築に難航し、研究計画が停滞していた.技術的な改善により問題を解決し、研究計画が再開している.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
それに伴う消耗品(siRNA, duolink試薬等)の消耗品にあてる.の購入に充てる予定である.
|