2014 Fiscal Year Research-status Report
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25440196
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今村 央 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 准教授 (00312421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タラ目 / マトウダイ目 / アンコウ目 / フグ目 / 単系統群 / 形態形質 / 共有派生形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はタラ目魚類7種とマトウダイ目魚類3種の解剖と観察を行い、平成25年度に得たデータとあわせ、合計でそれぞれ22種と13種の形態情報を得ることができた。平成25年度に確認した両目に共通する14個の派生形質の多くは、平成26年度に観察した10個体でも確認された。一部の種では2個の後擬鎖骨が癒合しないなどの原始的形質を持つことが確認されたが、先行研究で推定された両目の系統類縁関係に形質のマッピングを行ったところ、各目の共通祖先は派生的状態を持っていたと推定されたため、上述の14個の形質は両目の共有派生形質と見なすことができると判断し、両目の近縁性は形態的にも支持されると結論した。この結果は、系統解析ソフトPAUPによる解析によっても再現された。また、平成26年度は6種のアンコウ目魚類と4種のフグ目魚類の解剖と観察を行うとともに、それぞれ8種と10種のレントゲン写真を撮影し、両目は10個の派生形質で共通することも確認した。これらのうち、眼下骨がない、鼻骨がないなどの4形質は、両目が含められてきた側棘鰭上目と棘鰭上目の中でも非常に稀な形質である。したがって、平成26年度に観察した両目の種数は少ないものの、アンコウ目とフグ目の近縁性は形態的にも支持される可能性があることが示唆された。形質間の極性の決定(当該群の形質が派生的であるか原始的であるかを決定すること)には、先行研究の情報の他、平成26年度に解剖と観察を行ったキンメダイ目やカンムリキンメダイ目などの5種の形態情報も参考にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26度は7種のタラ目魚類と3種のマトウダイ目魚類の比較解剖が終了し、当初の予定通り、両目の観察を終了することができた。また、文献情報と解剖、観察した5種の外群との比較により、形態形質から両目の近縁性を支持することができた。さらに、平成26度は6種のアンコウ目魚類と4種のフグ目魚類の解剖、観察を行うことができた。当初の予定ではアンコウ目(15種)とフグ目(11種)については3割程度の観察を目指しており、その目標は達成した。したがって、本研究は順調に進行し、本年度の当初の目標を達成することができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ解剖を行っていない11種のアンコウ目魚類と7種のフグ目魚類の解剖・観察を行う。さらに、研究対象の4目を含む側棘鰭上目と棘鰭上目などの多くの魚類を包括する分類群である正真骨下区魚類も10種程度をめどに解剖,観察し、形態学的データを収集することで、より精度の高い比較を行い、形質の極性決定を行っていく予定である。さらに、両目の近縁性は、系統解析ソフトを用い、より客観的に検証する予定である。
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Causes of Carryover |
26年度には177円の次年度使用額が生じたが、金額がごく僅かであり、購入を希望する物品の価格に及ばなかったため、次年度に使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額だけ27年度の消耗品購入費を増額する。なお、生じた次年度使用額はごくわずかであるため、全く問題なく使用することができると考えている。
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Research Products
(6 results)