2015 Fiscal Year Annual Research Report
アッサムモンキーの社会と生態:オス間の寛容性の進化を探る
Project/Area Number |
25440253
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小川 秀司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (80293976)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 霊長類 / アッサムモンキー / 社会 / オス / 寛容性 / マカク属 / 交尾行動 / 生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成27年度は,以下の現地調査を行い,これまで行った調査結果をまとめた. 現地調査は,ネパールのカトマンドゥー近郊にあるShivapuri-Nagarjun国立公園のNagarjun地域において,2015年4月1日(出国は前年度の3月15日)から4月5日(帰国)までと2015年12月23日(出国)から2016年1月8日(帰国)まで,Tribhuvan大学のChalise氏ら及び国立公園のレンジャー達の協力を得て行った.同地域には軍隊に餌付けされて観察が容易なアッサムモンキー(Macaca assamensis)の群れが1群いる.前年度に引き続き,この群れの性年齢構成の変化を記録し,すべてのオトナを個体識別し,Koirala氏と共に,個体追跡法によって社会行動の観察を行った.また,前年度に実施した植生調査地を再訪して植物の同定を行い,センサスでアッサムモンキーとアカゲザル(M. nulatta)の群れの位置をGPSで記録し,各群れの性年齢構成やサル達の活動及び採食品目等を記録した.さらに,センサーカメラ(カメラトラップ)を設置して,サルの捕食者の生息の有無を確認した. 観察記録の詳細は現在分析中であるが,同地域のアッサムモンキーは,(2個体が同時に1頭のコドモを持ち上げるブリッジング行動は行わないものの)オス間で頻繁に親和的社会交渉を行い,オスは1度のマウントで射精に至るために低順位のオスも交尾機会が多く,そのため複数のオスが群れ内に共存出来ているのではないかと考えられた. なお,ネパール各地域における霊長類の分布調査も当初計画に入れていたが,その調査は研究代表者の所属大学の個人研究費を用いて2016年3月に行った.
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Research Products
(2 results)