2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒマラヤシーダー落葉に含まれるアレロケミカルの構造決定と土壌中での活性評価
Project/Area Number |
25450029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
加茂 綱嗣 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60345759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平舘 俊太郎 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60354099)
轟 泰司 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30324338)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アレロパシー / アブシジン酸 |
Research Abstract |
本研究では、当該年度にヒマラヤシーダー落葉中の植物生長阻害物質の単離・構造決定を行うことを計画していた。ヒマラヤシーダーの落葉を80%メタノールにて室温で抽出し、濾過することで粗抽出液を得た。液液分配による酸性画分を活性炭、シリカゲルカラム等で精製し、レタス幼根への成長阻害活性を指標として活性画分を精製した。最終的にHPLCにて活性成分を単離し、GCMSなどを用いて分析し、アブシジン酸であることを確認した。 研究計画では、単離した化合物を用いてレタス以外の植物に対する成長阻害活性を測定することになっていた。しかし、植物ホルモンとして先行研究データが蓄積されているアブシジン酸が得られたことから、これらは文献等より容易に得られる情報であるため、この部分は計画を変更し、実施しなかった。 予定していた以上の成果としては、落葉中に含まれるアブシジン酸を定量する目的で、(+)-[3',5',5',7',7',7'-D6]体を合成した。落葉の抽出液にこれを内部標準物質として添加し、簡単な精製後にGCMSにて定量すると、アブシジン酸の含量はおよそ4 microg/g新鮮重であることがわかった。比較のために、アカマツとサワラの落葉についても同様の定量実験を行うと、前者はヒマラヤシーダーと同程度、後者はヒマラヤシーダーのおよそ2倍のアブシジン酸を含んでいた。このことから、ヒマラヤシーダー落葉中のアブシジン酸含量は、他の針葉樹の落葉と同程度であることが示唆された。 また、土壌を添加した系でアブシジン酸の活性を評価する予備実験を行い、翌年度以降の本実験の条件検討を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、当該年度に、ヒマラヤシーダー落葉中の植物生長阻害物質の単離・構造決定と、その化合物の各種被検植物に対する活性の評価を行うことになっていた。前半部分については予定通り研究が完了した。後半部分については、先行研究が蓄積されているアブシジン酸が活性成分として得られたことから、改めて実験する必要性はないと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにこれまでに、試験化合物を水溶液とし、そこへ寒天と土壌を添加して凝固させて発芽試験を行う系を確立している (Hiradate et al. Weed Sci. 58, 258-264, 2010)。この方法により、ミモシンやジュクロンなど他の植物由来のアレロケミカルは、土壌の存在下では活性が大きく低下することが明らかとなった。 今後、アブシジン酸の活性が火山灰土壌、沖積土壌や石灰岩土壌の存在下でどのように変化するか、詳細に調べる。他の多くの化合物とは違って土壌が存在する系で活性が低下しなかった場合、アブシジン酸は環境中でも土壌吸着によって失活せずに機能している可能性が高いことが示唆される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グロースチャンバーの購入を計画していたが、生物試験の回数が少なかったために既存の機器で代用できたため、購入しなかった。また、活性成分の単離と構造決定が予定していたより短期間で終了したことから、用意していた実験補助員用の人件費も当該年度は使用する必要がなかった。 平成26年度は土壌を用いた生物試験を多く行う見込みなので、実験補助員の人件費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)