2014 Fiscal Year Research-status Report
加水分解性タンニンのIgE産生抑制メカニズムおよび構造活性相関の解明
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25450191
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
高杉 美佳子 九州産業大学, 工学部, 准教授 (60305802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 耕路 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60158186)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タンニン / IgE / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
グルコースに、ガロイル基とヘキサヒドロジフェノイル (HDDP) 基が1個ずつ結合したストリクチニン、2個のガロイル基と1個のHDDP基が結合したテリマグランジンI、3個のガロイル基と1個のHDDP基が結合したテリマグランジンII、1個のガロイル基と2個のHDDP基が結合したカスアリクチン、5個のガロイル基が結合したペンタガロイルグルコースを用い、IgE産生抑制作用とガロイル基の関係を調べた。 IgE産生型ヒト由来B細胞株 (U266) にサンプルを終濃度0~100 uMで添加して3時間培養し、培養上清中のIgE濃度をELISAで測定した。その結果、ストリクチニンは終濃度10~80 uMにおいてIgE産生を10%程度しか抑制せず、終濃度100 uMでも20%程度しかIgE産生を抑制しなかった。また、テリマグランジンI、カスアリクチン、ペンタガロイルグルコースは終濃度20~80 uMでIgE産生を20~30%程度抑制し、3つのサンプルの活性の強さはほとんど変わらなかったが、ペンタガロイルグルコースは終濃度100 uMでテリマグランジンIやカスアリクチンよりも抑制活性が弱い傾向を示した。一方、テリマグランジンIIは終濃度0~100 uMで添加濃度に依存してIgEの産生を抑制しており、終濃度80 uM以上での抑制活性は約50%と本研究に用いたサンプルの中で最も抑制活性が強かった。 これらの結果より、IgE産生抑制活性の発現には、分子内にガロイル基が4個相当以上あることが望ましく、グルコースの1位炭素に結合したガロイル基や4位と6位間のHDDP基も抑制活性の発現に関与している可能性が示唆された。これらのIgE抑制作用は細胞毒性によるものではないことを確認しており、今後、mRNAの発現に及ぼす影響を検討し、作用メカニズムを明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
U266のmRNA発現をreal time PCRで調べる予定であるが、これまでの報告はRT-PCRを用いたものであり、最適なプライマーを検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
いくつかのプライマー作成ソフトを用いて、real time PCRに最適なプライマーを見つける。また、改善が見られない場合にはTaqManプローブを用いて検出を行う。
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Causes of Carryover |
作用メカニズムを調べるにあたり、PCRに必要なヒートブロック、PCRチューブ用遠心機等の備品の納入が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度2月から平成27年度にかけて、主にreal time PCRでmRNAの発現を調べることにより、作用メカニズムの解明を行う。
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