2013 Fiscal Year Research-status Report
沖縄県北部酸性耕作放棄地におけるメラルーカ属樹種を利用した産業植林の可能性
Project/Area Number |
25450218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
諏訪 竜一 琉球大学, 農学部, 准教授 (30560536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 真吾 琉球大学, 農学部, 教授 (80444909)
高嶋 敦史 琉球大学, 農学部, 助教 (40433099)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メラルーカ / 国頭マージ / 耕作放棄地 / M. cajupti / M. leucadendra / M. alterniforia |
Research Abstract |
9月から播種を開始し、草丈約20cmに達した2月中旬から移植を開始した。 Melaleuca(メラルーカ)属に属するM.cajupti, M.leucadendra, M.alterniforia, およびEucalyptsu(ユーカリ)属のE.camaldlensis, E.globrus, E.radiataの樹木苗をそれぞれ採取場所の異なる数種の種子ロットごとに約50株を1×1m間隔で定植を行った。合計で約1200株を約15アールの沖縄県北部大宜味村内の耕作放棄地圃場を整備した後、定植を行った。 現地の土壌は国頭マージで、土壌pHは、KClによる抽出を行った後、電極法測定を行い、約4程度の強酸性を呈した。 すべての樹種ともに移植後そのほとんどの株は良好に活着した。現在これらの個体群を用いて生育適正評価実験を開始している。移植後の活着数週間後に行ったゼロ点調査では、樹種別の害虫による食害に対する耐性、初期生育の評価を行った。M.cajuptiおよびM.leucadendra種では害虫による被害が確認されたのに対し、M.alterniforia種では食害もなくメラルーカ属の中でも良好に生育を示した。このように、メラルーカ属のなかでも種別に生育の違いが生じていることから、生育良好な樹種系統の選抜が可能と考えられる。また、育苗時には、M.cajuptiおよびM.leucadendra種は湿害に強いが、M.alterniforia種はこれらの種に比較して弱く、培土の通気・排水性に優れた条件を整えることも重要であることが判明した。また、屋外で育苗を行った場合、M.alterniforia種は、他の種と比較してカタツムリ類などによる被害を受けやすく、屋内での育苗が適していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄県北部に位置する大宜味村内の強酸性土壌地帯の(pH:4.0程度)耕作放棄地の栽培へ向けた整備・改良を終え、当初の目標であったメラルーカ属樹種の植林を完了することができた。栽培を行う事前準備として、現地に生い茂る草本類を主とした目的外植物の刈り取りを行った。機械による耕運作業は赤土流出防止の観点から行わない移植方法を用いた。移植後の活着率は高く、枯死する個体はほとんどなかった。育苗は、市販の培度に種子を散布し、およそ2cm程度の幼苗をチャノキ苗木用のペーパーポット(FS515:5×15cm)に移植を行った。移植時にはこれらを圃場内に設計した試験区内に、1×1mの間隔で定植を行った。生育の様子を示す調査項目として、草丈、幹基部直径の調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後計画として、初年度に移植を行ったメラルーカ属樹種を中心とした生育の調査およびこれらから生産される精油の抽出、品質分析を行う。また、ポット実験では生育に関連するパラメーターを変動させた場合の生育および精油生産の調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
精油分析に関連する項目の予備調査を現在準備中であるため繰り越しを行う。 本年度から精油の抽出、精製、分析を行う。
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