2014 Fiscal Year Research-status Report
沖縄県北部酸性耕作放棄地におけるメラルーカ属樹種を利用した産業植林の可能性
Project/Area Number |
25450218
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
諏訪 竜一 琉球大学, 農学部, 准教授 (30560536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 真吾 琉球大学, 農学部, 教授 (80444909)
高嶋 敦史 琉球大学, 農学部, 助教 (40433099)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精油 / ティーツリー / ケモタイプ / テルピネン-4-オール / 1-8シネオール / alterniforia |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度移植したMelaleuca属樹種の生育調査および精油品質調査を行った。M.cajuputi, M.leucadendra, M.alterniforiaそれぞれ良好に生育を示した。地際部直径、はそれぞれの種で、15,19,23mm、樹高は、109,135,139cmとなった。夏時期の高温期に成長が早く、冬場には緩慢になる傾向が認められた。 本年度は、ティーツリーオイルの原料となるM. alterniforiaに重点を当てて研究を行った。本研究においては、種子採取地点の異なるalterniforia種子系統を用い、これらから得られるケモタイプの分類を行った。これらのうち、1-8シネオールを精油の主成分とするタイプと、テルピネン-4-オールを主成分とするタイプを確認した。このうち、ブリスベンバンガワルビン州立公園付近の南緯29度6分、東経153度9分の地点から採取されたテルピネン-4-オールを主成分とするケモタイプから得られる精油は、ティーツリー主要生産国オーストラリアにけるティーツリー取扱品質規格である、精油中に含まれるテルピネン-4-オールが30%以上かつ1-8シネオール含有率15%以下の条件を満たしていたため、高品質なティーツリー精油を沖縄県北部地域の耕作放棄地で生産が可能であることが示された。 また、本年度は記録的な暴風域をともなう台風が到来したが、圃場内の植栽樹種に対する強風による落葉や樹木部分に対する被害、潮害もほとんど認められなかったことから、本試験に用いた樹種は沖縄県における農産業の制限要因である台風に対しても初期生育の段階では強いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台風などの初期生育に対する耐性を確認でき、また、それぞれの樹種の初期生育調査を終えることができた。 また、精油品質調査では、高品質なティーツリー精油を沖縄県北部地域で生産することが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
精油採油用の品質についての特定を終えることができた。今後、精油生産の効率的栽培方法について検討を行う。 引き続き、樹木の密度測定など、木部の利用について解析を行い、Melaleuca属樹種の多目的な利用について検討を行う。
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Causes of Carryover |
各種の分析などに用いる試薬など、共通経費でのストックなどを活用しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、密度測定など、更なる分析が控えているため、これに充てる。
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