2014 Fiscal Year Research-status Report
アカガレイ仔稚魚の輸送過程と餌生物環境評価による卓越年級群発生機構の解明
Project/Area Number |
25450269
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高津 哲也 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (50241378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 直樹 北海道大学, 水産学部, 助教 (50604485)
中屋 光裕 北海道大学, 水産学部, 特任助教 (80604313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アカガレイ / 仔魚 / 稚魚 / 着底 / 輸送 / 噴火湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
アカガレイの資源量変動予測を,簡便な海洋観測と餌生物採集のみで実現するために,噴火湾においてアカガレイ仔稚魚の輸送・着底過程を検証した。 仔魚期前半の生残率の経年変化を調べるために,2007-2014年の卵と仔魚のそれぞれピークを示した時期の密度をもとにRPS解析を行った。卓越年級群となった2008年級群のRPSは8年間で最低の値を示したことから,仔魚期前半の生残率は卓越年級群の発生にはあまり関与せず,仔魚期後半以降の生残率が重要であることが明らかとなった。 比較的大型の浮遊仔魚は,2013年5月には湾内および湾外で採集されたが,2014年5月には採集されず,6-7月にも採集されなかった。2014年8,10-11月の湾内および湾外の着底トロール採集では,2013年と同様に着底稚魚は1個体も採集されなかった。2014年は2013年よりも早期から仔稚魚が採集されなくなったことから,生残条件はより悪かったものと推定された。 飼育実験により,受精から孵化までの日数および仔魚期の期間を推定した。50%孵化までの日数は12℃の6.5日間から3℃で24日間まで幅があった。仔魚の発育が停止する生物学的零度は0.4℃と推定され,他魚種に比べて低水温でも成長可能だった。 卵・仔魚の輸送過程を解明するために,飼育実験により比重変化を測定した。卵期は一貫して飼育海水および野外の海水密度よりも低比重を示し,他魚種にみられるような孵化直前の高比重化による沈降は確認できなかった。卵黄嚢仔魚は高比重化による沈降傾向を示したが,その後摂餌開始期には野外の海水比重と同程度の比重に回復し,遊泳による生息水深の選択が容易であった。仔魚はその後発育に伴って比重が増したが,野外では着底せずに中層域で採集されたことから,仔魚期後半には自然沈降に逆らって能動的な浮上遊泳を行うことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,卵期から仔魚期の生残過程の検証,輸送モデルに必要となる卵仔魚の発生・発育速度,比重変化を推定することができた。野外採集では12月から4月までは卵仔魚が採集できたが,5月以降大型浮遊仔魚および着底稚魚は採集されなかったことから,仔魚期の後半に減耗が大きいかったことが推定できた。一方,着底個体が採集されていないことから,着底場の特定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
仔魚期の後半と着底期の個体の採集に調査努力量をさらに投入し,着底場所の特定を推進する。また,推定された着底場所への輸送過程をモデル計算によって再現することを試みる。仔稚魚が採集された場合,耳石日周輪を用いて,浮遊期間の推定を試みる。
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Research Products
(8 results)