2015 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸流し網の選択性推定とそれを用いた浮魚資源の調査と管理の高度化
Project/Area Number |
25450271
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
東海 正 東京海洋大学, その他部局等, 教授 (30237044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 夫祥 東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (80293091)
塩出 大輔 東京海洋大学, その他部局等, 助教 (40361810)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水産学 / 流し網 / 網目選択性 / マサバ / マイワシ / 適正目合 / 羅網機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
太平洋道東沖の資源調査に用いられる調査用流し網について,回復しつつあるマサバ資源のモニターに適した目合の組み合せを検討した。これまでの同調査結果を用いて目合別の選択性曲線を推定した。特に,6・7 月と 9-11 月の調査時期間で選択性曲線に違いが認められ,胴での羅網過程を基に産卵後の肥満度の低下を要因としてその違いを考察することができた。また現在の目合の組み合せでは,尾叉長 300 mm 以上での採集効率の低下が著しく,大型個体の資源を過小評価する可能性がある。目合 82 mm と 106 mm の網を追加する改善策を提案した。これらの結果を論文として公表することができた。 三陸-道東沖において調査用流し網を用いて長年行われてきた資源調査結果からマイワシを例として,まず小目合(33, 37, 43, 48mm)の目合別体長組成を用いて,正規関数や対数正規関数で表した網目選択性曲線のパラメータを推定した。また,得られた選択性曲線の最適体長における鰓蓋後端胴周長と最大胴周長を目合ごとに求めて網目内周長と比較することで,その羅網過程を検討した。さらに “刺し”や“鰓かかり”効果を表す正規関数や対数正規関数のモデルに加えて,大目合(55, 63, 72, 106, 112, 115, 121mm)による漁獲を“絡み” の効果と仮定して,その効率が体長に関わらない一定あるいは目合と体長に依存する関数で表すことでモデル化した。これらのモデルを用いて全11目合のデータから選択性曲線の推定を行い,“刺し”や“鰓かかり”と比べながら“絡み”の効果を定量的に評価した。これらについて,英語での投稿論文として取りまとめることができた。このモデルは,今後,”刺し”以外での漁獲が多いサワラなどの魚種の網目選択性の評価に適用可能と考える。
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Research Products
(2 results)