2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450302
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
大迫 一史 東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (00452045)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゼラチン / コラーゲン / 魚鱗 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,ゼラチン抽出温度70°Cおよびフィルム乾燥温度10~40°Cの,異なる温度条件で調製したマアジ鱗由来ゼラチンフィルムの性状を明らかにした。マアジ鱗に蒸留水を加え,所定の温度で1時間加熱し,抽出液を遠心分離して得られた上清を真空凍結乾燥し,これをゼラチンとした。ゼラチンを蒸留水で溶解後(終濃度2%),ゼラチンに対して20%のグリセリンを加え撹拌した。得られた溶液を脱泡し,シリコン枠に分注した。これを所定の温度,相対湿度50%で24時間乾燥させた後,25°C,相対湿度50%で24時間コンディショニングを行ない,フィルムを調製した。得られたフィルムの引っ張り強度 (TS),引っ張り伸び率 (EAB),および水蒸気透過性 (WVP)等を測定した。ゼラチンの凝固点は17.3~21.4°Cであることが分かった。フィルムの厚さ,TS,WVPおよび光透過性は乾燥温度が低いほど高い傾向が見られ,特に10および20°Cで高かった。一方,EABについては乾燥温度との関係は明らかでなかった。赤色度および黄色度は,乾燥温度の上昇に伴い増加した。SDS-PAGEの結果から,乾燥温度に関わらずαおよびβ鎖が観察され,タンパク質の分子量分布に違いはなかった。FT-IRのアミドⅢのピーク波数は,乾燥温度が低いほど小さく,ゼラチン分子の三重らせん構造の復元が進行したことが示唆された。三重らせん構造の復元がゼラチン分子間のネットワークを強固にすることが知られていることから,凝固点以下の温度で乾燥したフィルムのゼラチン分子は強固なネットワークを持つことにより,TSが高くなったと考えられた。
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Research Products
(1 results)