2014 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルス亜型間交差反応性抗体の抗原認識機構の計算科学的解析と応用
Project/Area Number |
25450417
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 学 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (10374240)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ / ウイルス / 抗体 / 分子動力学計算 / 分子間相互作用 / ホモロジーモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インフルエンザウイルスHAと亜型間交差反応性抗体の立体構造を基に、計算科学的手法を用いて、HAと抗体との分子間相互作用を解析する。さらに本研究では、既知のHA-抗体複合体構造を鋳型に遺伝子を改変して、抗体の親和性と特異性を操作し、多くのHAを認識する抗体の設計を目指している。 本年度は、昨年度実施したH1、H2、H3、H6、H13亜型のHAと亜型間交差反応性抗体S139/1との分子間相互作用解析に加え、H5およびH9亜型のHAについても分子動力学シミュレーションにより相互作用解析を行い、亜型間に共通するエピトープおよびパラトープの構造的特徴をさらに詳細に調べた。分子動力学シミュレーションの初期構造は、昨年度の検証により実験値の再現性が高かったホモロジーモデリング法を用いて構築した。 また、S139/1からのエスケープ変異により生じる分子間相互作用の変化を解析した。その結果、エスケープ変異をある程度予測できる可能性が示唆された。現在、数理モデル解析により、交差反応性抗体からエスケープする際に見られるHA上のアミノ酸置換の特徴について検討中である。 さらに、現在ヒトの間流行しているH1およびH3亜型のHAの立体構造および配列データを詳細に解析し、共通エピトープとなりそうな領域の探索を行った。 本年度は、より多くのHAに結合し得る抗体およびエスケープ変異後のHAに再結合する抗体の分子設計を行い、in vitroの実験で評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も交付申請書を基に計画を進めて行く予定である。ただし、抗体の分子設計には、バーチャルファージディスプレイ法も新たに含めて検証を行う。
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Causes of Carryover |
本年度の研究による検証の結果、当初予定していたソフトウェアの購入の必要がなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最近進歩しているバーチャルファージディスプレイ法により、当該抗体の分子設計を試みるためのソフトウェアを購入する。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Protective efficacy of passive immunization with monoclonal antibodies in animal models of H5N1 highly pathogenic avian influenza virus infection.2014
Author(s)
Itoh Y, Yoshida R, Shichinohe S, Higuchi M, Ishigaki H, Nakayama M, Pham VL, Ishida H, Kitano M, Arikata M, Kitagawa N, Mitsuishi Y, Ogasawara K, Tsuchiya H, Hiono T, Okamatsu M, Sakoda Y, Kida H, Ito M, Quynh Mai L, Kawaoka Y, Miyamoto H, Ishijima M, Igarashi M, Suzuki Y, Takada A
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Journal Title
PLoS Pathog.
Volume: 10(6)
Pages: e1004192
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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