2014 Fiscal Year Research-status Report
配偶子間認識に関与する卵膜マトリクスの形成機構と精子側分子との相互作用機構の解明
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25450520
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
奥村 裕紀 名城大学, 農学部, 准教授 (60513661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドメイン間相互作用 / 液相等電点電気泳動 / 免疫沈降 / 二次元電気泳動 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 26 年度の研究では、前年度の研究で一部前倒しして行ったニワトリ ZP1, ZP3 および ZPD の間のドメイン間相互作用の解析をさらに進展させ、ニワトリ卵膜マトリックス内における各構成タンパク質の位置関係を推定するために必要な実験データを蓄積した。その結果、卵膜マトリックスの予備的な構造モデルを作成することが可能となった。 また本年度には、卵膜形成機構の解明を目指す研究の一環として、肝臓で合成された ZP1 が血液中から卵膜内へ移行する過程で受けると考えられる生化学的性質の変化の原因を解明するための研究を開始した。ニワトリ血清に対し、尿素の存在下および非存在下で液相等電点電気泳動を行った。その結果から、ZP1 は血液中では別のタンパク質と複合体を形成していることが予想された。そこで、前年度までに作製された anti-ZP1 抗体を用いた免疫沈降および前年度に新たに見出された ZP1 分離法のそれぞれを用いてニワトリ血清から ZP1 を分離した。その結果、両方法において ZP1 と共に分離されたタンパク質の中に、共通するものが含まれていることが明らかとなった。このタンパク質は血液中で ZP1 と結合していると考えられ、次年度の研究ではこのタンパク質を質量分析などの方法により同定する予定である。そのほか、本年度には、ニワトリ卵膜に対する二次元電気泳動で検出される各 ZP3 異性体のスポットについて、各スポットに含まれるタンパク質を抽出した。次年度は、これらについても質量分析を行い、各異性体間の構造上の違いの解明を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成 26 年度分の実施計画が順調に進行し、ニワトリ卵膜マトリックスについて、予備的な構造モデルを作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 26 年度の研究で存在が示唆されたニワトリ血液中での ZP1 結合タンパク質の同定を行い、そのタンパク質が ZP1 の卵膜への組込み機構に如何に関与しているかの解明をめざす。また、卵膜中の ZP3 異性体について、それらの間の構造の違いを解明し、卵膜の形成機構や精子との反応機構において ZP3 の複数の異性体が如何に関与しているかの解明を目指す。研究が順調に進行すれば、受精時に ZP1 や ZP3 異性体と相互作用する精子側の分子の解析を開始する予定である。
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Research Products
(4 results)