2015 Fiscal Year Annual Research Report
配偶子間認識に関与する卵膜マトリクスの形成機構と精子側分子との相互作用機構の解明
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25450520
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
奥村 裕紀 名城大学, 農学部, 准教授 (60513661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵膜 / 透明帯 / 分子間相互作用 / 繊維形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脊椎動物の受精における卵・精子相互作用の分子メカニズムを解明することによって、家畜や家禽の受精率や生産性の向上、有用品種の作出技術の開発、希少動物の系統維持や害鳥獣の駆除に応用することができる知見が得られると考え、ニワトリの卵膜 (透明帯) を研究対象として、その構成タンパク質の構造と機能、および卵膜の形成機構を解明することを目的としている。また本研究は、未知の部分が多い脊椎動物の卵・精子相互作用の研究から得られる知見を、将来の生殖医療やバイオ産業に応用することも視野に入れている。 本研究期間全体を通して、ニワトリ卵膜の主成分である 3 種類のタンパク質 ZP1, ZP3 および ZPD がどの分子内領域の間でどのように結びついて卵膜繊維を形成しているかを推定することに成功し、鳥類以外の脊椎動物にも適用することが可能な卵膜の構造モデルを提案することができた。研究の成果は、2015 年 5 月 27 日発行の学術誌 FEBS Open Bio 第 5 巻の 454 ページから 465 ページに掲載された。 また本研究期間内には、肝臓で合成され血液中を循環したのちに卵膜へ組込まれることが知られている ZP1、および等電点の異なる複数の状態をとって卵膜中に存在することが明らかとなっている ZP3 についても今後の本研究の進展につながる研究を開始している。今後それらの研究を継続して行うことにより、ZP1 の血液中での運搬機構、および ZP3 に複数の状態が生じる原因とそれらの状態が卵膜の構造と機能にどう関与するかを解明することができると考えられる。
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Research Products
(7 results)