2014 Fiscal Year Research-status Report
GPNMBの受容体同定および高次脳機能に及ぼす影響に関する研究
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25460103
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴間 一寛 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (50524980)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPNMB / 記憶 / GluA1 / Na+,K+-ATPase / PI3K/Akt経路 / MEK/ERK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
GPNMB過剰発現(TG)マウスにおいて慨日リズム、鬱・不安および記憶の評価を行ったところ、TGマウスでは海馬依存的な記憶の増強がみられることが明らかになった。そこで、脳内における記憶に関連する因子の発現量の変化の検討を行った。 また、申請者らは、GPNMB細胞外フラグメントが細胞膜上の何らかの受容体に結合し、生理作用を示すのではないかと考え、GPNMB細胞外フラグメントの新規受容体の探索を行った。その結果、新規受容体候補としてNa+, K+-ATPaseが同定された。したがって、同定されたNa+, K+-ATPaseに着目し、神経難病であるALSや癌に代表されるGPNMB関連疾患の克服に貢献することを目的としてGPNMB細胞外フラグメントの詳細な生理機能の解明を行った。 すなわち、当該年度は(1)GPNMB過剰発現(TG)マウスの脳内における記憶に関連する因子の発現量の変化の検討および(2)新規受容体候補のNa+, K+-ATPaseを介したGPNMB細胞外フラグメントの詳細な生理機能の解明の検討の2点について検討を行った。 上述した2項目の研究成果について以下に述べる。(1)記憶に関連する因子の発現量の変化の検討について、AMPA受容体サブユニットのGluA1の総GluA1およびリン酸化GluA1の発現量が増加した。また、リン酸化CaMK2およびリン酸化GSK3βの増加が見られた。(2)GPNMB細胞外フラグメントの変異SOD1誘発運動神経NSC-34細胞毒性に対する保護作用およびPI3K/AktやMEK/ERK経路の活性化作用がNa+, K+-ATPase阻害剤により抑制された。 以上より、(1)GPNMB過剰発現(TG)マウスの脳内における記憶に関連する因子の発現量の変化の検討については既に終了しており、現在は(2)の検討についてさらなる検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において、検討項目にあげた2項目の進行状況を以下に述べる。 (1)GPNMB過剰発現(TG)マウスの脳内における記憶に関連する因子の発現量の変化の検討に関して、AMPA受容体サブユニットのGluA1の総GluA1およびリン酸化GluA1の発現量が増加した。また リン酸化CaMK2およびリン酸化GSK3βの増加が見られた。以上より、当初の予定通り順調に進行し、GPNMBが記憶を代表する脳高次機能において重要な役割を果たすことが示された。 (2)新規受容体候補のNa+, K+-ATPaseを介したGPNMB細胞外フラグメントの詳細な生理機能の解明の検討に関して、Na+, K+-ATPase阻害剤によりGPNMB細胞外フラグメントの変異SOD1誘発運動神経NSC-34細胞毒性に対する保護作用およびPI3K/AktやMEK/ERK経路の活性化が抑制されたことから、GPNMB細胞外フラグメントがNa+, K+-ATPaseを介して様々な生理機能を示すことが示唆された。今後は、Na+, K+-ATPase のsiRNAなどを用いて、さらなる検討を行う予定である。 以上、本研究課題は予定通り順調に進んでおり、着実に研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究概要において検討項目にあげた2項目について下記の通り継続して研究を進める。 (1)GPNMB過剰発現(TG)マウスの脳内における記憶に関連する因子の発現量の変化の検討については既に終了している。 (2)新規受容体候補のNa+, K+-ATPaseを介したGPNMB細胞外フラグメントの詳細な生理機能の解明の検討に関して、Na+, K+-ATPaseのsiRNAを用いたNa+, K+-ATPaseの特異的なノックダウンが、GPNMB細胞外フラグメントの生理作用にどのような影響を及ぼすか検討することにより、さらなる詳細な生理機能の解明を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度は、実験が順調に進展し、予想以上に早く結果を見出すことができたが、一部検討を進める項目があるため次年度に使用する予定の研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度はGPNMBヒトリコンビナントプロテイン、RNAiMAX Regentおよび細胞培養に必要な消耗品等に使用する。また、学会発表や論文投稿も予定しているため、これらに必要な旅費や論文投稿得ようにも使用する予定である。
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Research Products
(8 results)