2015 Fiscal Year Annual Research Report
GPNMBの受容体同定および高次脳機能に及ぼす影響に関する研究
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25460103
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴間 一寛 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50524980)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPNMB / Na+, K+-ATPase / PI3K/Akt経路 / MEK/ERK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究では、GPNMB細胞外フラグメントの受容体同定の検討を行った。平成26年度の研究結果より、GPNMB細胞外フラグメントの新規受容体候補としてNa+,K+-ATPase αサブユニットが同定された。さらに、変異SOD1誘発NSC-34運動神経様細胞障害に対するGPNMB細胞外フラグメントの保護作用が、Na+,K+-ATPase阻害剤により抑制された。このことから、GPNMB細胞外フラグメントがNa+,K+-ATPase αサブユニットを介して細胞保護作用を示すことが示唆された。 更に、最終年度では、GPNMB細胞外フラグメントがNa+, K+-ATPase αサブユニットを介してPI3K/Akt経路およびMEK/ERK経路を活性化させるか否かの検討を行った。生体内においてGPNMB細胞外フラグメントがNa+,K+-ATPase αサブユニットに結合するか免疫沈降法により検討したところ、NSC-34運動神経様細胞および661W視細胞の両細胞株でGPNMB細胞外フラグメントがNa+, K+-ATPase αサブユニットに結合することが見出された。また、NSC-34運動神経様細胞および661W視細胞の両細胞株で、siRNAによりNa+,K+-ATPase α1の発現を抑制したところ、GPNMB細胞外フラグメントによるERK1/2やAktのリン酸化の上昇が抑制された。これより、GPNMB細胞外フラグメントはNa+, K+-ATPase αサブユニットを介してPI3K/Akt経路およびMEK/ERK経路を活性化させることが示唆された。すなわち、Na+, K+-ATPase αサブユニットがGPNMB細胞外フラグメントの受容体のような働きをすることが見出された。 以上より、GPNMBの詳細な機能が解明されたことにより、神経難病のALSや癌に代表されるGPNMB関連疾患の克服に貢献できる結果となった。
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Research Products
(2 results)