2014 Fiscal Year Research-status Report
ラット胎生初期の心臓原基におけるカルシウムトランジェントと収縮の関連
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25460295
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 武志 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80363688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | rat / heart primordium / E-C coupling / calcium transient |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、心拍動開始前後でのトロポニンIの蛋白質の発現量変化について高感度ウエスタンブロット法によって観察したが、その際には内部標準分子による定量化は行っていなかった。その為、今年度は内部標準分子を用いた各種収縮関連蛋白の発現量の変化を求める為、まず、内部標準分子の検討を行った。心拍動開始前後の時期の心臓原基は時間と共に大きくなり、また、心臓原基の背面は前脳であり、2者を物理的に分かつのは不可である為、GAPDH等の一般的な内部標準分子を使用することが出来ない。その為、胎生早期の心筋細胞にのみ発現しているとされるcardiac α-actinを用いることにし、これまで行ってきた高感度ウエスタンブロット法を施行したところ、蛋白質投入量とバンド濃淡の相関が悪いことが判明した。その原因として、蛋白質投入量が少なく、シグナル/ノイズ(S/N)比が低くなる事が見いだされた。そこで、S/N比の改善に注力し研究を遂行した結果、0.2μmPVDF膜に48時間・25Vで転写することで改善することを見いだした。 他方、cardiac α-actinの蛋白質が心臓原基にのみ発現していることも同時に提示する必要があり、その為、whole mount 免疫染色法を用いてcardiac α-actinの発現分布を提示することにも注力した。whole mount 免疫染色法は当初の計画では平成27年度に行う予定であったが、少し前倒しにして着手することにした。まずは、発色法にて心拍動開始前後の胎児を検討したところ、心臓原基にのみ発色(cardiac α-actinの発現)が認められた。蛍光色素が結合した2次抗体を用いて、共焦点顕微鏡にて観察する方法(蛍光法)では、三次元的な発現の検討ができ、また、蛍光量によって発現量の検討が容易となると想定された。そこで、蛍光法によるcardiac α-actinの胎児での発現を観察しようとしたところ、発色法では認められなかった非特異的な蛍光を認めた。次年度はまずこの問題を解決する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述のように高感度ウエスタンブロット法でのS/N比改善に難渋したため実験遂行に遅れが生じている。ただし、当初の実験計画で平成27年度に行う予定としていたwhole mount 免疫染色法を今年度着手することができた。全体としては「やや遅れている」との区分に相当すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、上述したwhole mount 免疫染色法(蛍光法)での非特異的な蛍光の改善を行う。また、心拍動開始前後での各種収縮関連蛋白の発現をcardiac α-actin(内部標準)で補正し、発現量の変化を定量化する。
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