2014 Fiscal Year Research-status Report
加齢に伴う大腸癌病態メカニズム変化とエストロゲンの関係についての包括的研究
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25460429
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70321875)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / エストロゲン / エストロゲン受容体β / 閉経後 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸粘膜にはエストロゲン受容体β(ER-β)が発現されており、大腸癌の病態におけるエストロゲンの役割について種々の検討がなされている。エストロゲンは大腸癌に抑制的に働くとする説が優勢であるが、促進的とする報告も少なくなく、十分なコンセンサスが得られているとは言い難い状況にある。これまで我々が、ER-β遺伝子(ESR2)CA repeat多型と大腸癌リスクの関係を調べたところ、高齢者女性剖検例では短鎖が結腸癌のリスク因子(ただし、剖検時に潜伏癌が発見された症例も大腸癌症例として含んでの解析結果)、一方、75歳未満の外科的大腸癌症例-対照研究では長鎖が閉経後女性結腸癌のリスク因子と、一見、逆の結果が得られた。また、閉経前女性、男性、直腸癌ではこの多型の影響はなかった。これらの結果から、大腸癌におけるエストロゲンの病態的意義は、年齢、性、局在部位、進行度などにより影響を受けると推察されるため、これらを考慮した系統だった解析が必要と考えられた。そこでまず、これまでの解析から興味深い結果が得られている閉経後女性結腸癌症例に着目し、外科的手術検体を用いてエストロゲン関連諸因子についての多角的検討を行ったところ、高齢者と非高齢者では、種々の点で違いがあることがわかった。これと並行し、大規模な前向きコホート群について、年齢、性、局在部位、進行度、body mass index等を考慮した疫学的検討を行ない、ESR2 CA repeat多型の解析が終了した。現在データを統合中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
未解析の症例、項目があるため、解析を急ぎたい。
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Strategy for Future Research Activity |
データを総合的に解析し、論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
未解析の症例、項目があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に、予定している全症例、項目について解析を行う。
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