2013 Fiscal Year Research-status Report
二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスを用いた新しい播種性癌治療法の開発
Project/Area Number |
25460484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 智基 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00599318)
大山 秀樹 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90280685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 腫瘍溶解アデノウイルス / 癌標的化 |
Research Abstract |
本申請研究では、二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスを新たに開発し、種々の担癌マウスモデルを用いてその効果と安全性を検討する。 本年度は、まず、これまでに我々が開発したミッドカイン制御型腫瘍溶解アデノウイルス(MOA5)に以下の改変を加えた3種類のアデノウイルスファイバーを作製した[(1)CD46標的化(5/35型ファイバーノブ置換型:MOA5/35)、(2)EGFR標的化(MOA5/EGFR)、(3)HER2標的化(MOA5/HER2)]。続いてこれらファイバーコンストラクトを基に二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスゲノムのプラスミドを作製し、HEK293 細胞を用いてウイルスを大量調整した後に濃縮・精製した。ウイルスを作製後、タイターなどのウイルス学的な評価を行った。 本年度はこれらウイルスのうち、CD46を標的化したMOA5/35を用いて、悪性中皮腫及び骨肉腫細胞を用いた検討を集中して行った。その結果、二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスMOA5/35は、5型ファイバーを保持した腫瘍溶解ウイルスMOA5に比べ、低CAR発現細胞株(MSTO-211H, NCI-H2052, MNNG-HOS, MG-63)への高い感染導入効率と細胞障害性の増強を示した。ヒト悪性中皮腫及び骨肉腫の皮下腫瘍モデル(MSTO-211H及びMG-63)において検討した結果、MOA5/35は、抗腫瘍効果の増強を示す事に成功した。したがって二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスMOA5/35は、従来の5型アデノウイルスでは治療効果が望めない悪性中皮腫や骨肉腫モデルにおいて有効であるとの原理証明がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3種類の異なったアデノウイルスファイバーをそれぞれ有する二重制御型腫瘍溶解アデノウイルス(MOA5/35, MOA5/EGFR, MOA5/HER2)を新たに作製することに成功した。またこのうちCD46標的化MOA5/35について、悪性中皮腫及び骨肉腫モデルにおける有効性を示す事が出きた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、他の種類の癌細胞について、また他の二重制御型腫瘍溶解アデノウイルスについて検討を進める。 一方で皮下腫瘍モデル以外に各々播種性癌モデルを作製し、抗腫瘍効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養細胞用の培地、試薬を購入する予定であったが、在庫が残っていたため、購入を次年度に持ち越した。 培養細胞用の培地、試薬を購入する。
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Research Products
(10 results)