2014 Fiscal Year Research-status Report
自治体病院の経営形態移行に関する健康影響予測評価(HIA)適用の妥当性
Project/Area Number |
25460644
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 邦夫 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (40250047)
星子 美智子 久留米大学, 医学部, 講師 (90557498)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 自治体病院 / 経営形態移行 / 健康影響予測評価 / Health Impact Assessment |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の調査結果を踏まえ、自治体病院が経営形態を移行する際に、住民や病院職員の健康をどの程度考慮した経営改革を行っているかを経営形態別に明らかにするための調査を実施した。平成21年~26年の間に経営形態が移行した自治体病院のうち、経営形態が「一部適用から全部適用」へ移行した施設を除いた122施設を対象に、郵送法によるアンケート調査を実施。調査内容は「移行した経営形態」「労働組合との事前交渉の有無」「住民、職員に対する移行前・後における健康影響とその対策」「経営形態の移行に関する総合判定」などである。主な結果を示す。アンケートの回収率は57件(45.9%)。移行形態では「一部適用から独法・非公務員型」が25件(45%)、「一部適用から診療所」が14件(25%)、「一部適用から指定管理者」が7件(13%)であった。「労働組合との事前交渉の有無」は約8割が「十分~ある程度行った」であった。「経営形態移行に関する総合判定」で良かったと回答した割合は、診療所が69%ともっとも低く、独法・公務員型、独法・非公務員型で高かった(100%と88%)。まとめとして、自治体病院が診療所以外へ経営形態が移行した場合、総合判定では満足度が高い結果となった。同じ診療所でも有床診療所では、無床診療所に比し満足度が高かった。 さらに、本調査結果より、引き続き行ったヒアリング調査(3箇所:北海道/三重県/鹿児島・宮崎)により、形態別だけでなく、該当地域の医療提供サービスレベルやこれまでの当該地区の医療文化に評価結果が影響される可能性が示唆された。 第73回日本公衆衛生学会総会(2014.11.5)において「健康影響を考慮した自治体病院の経営形態の移行の必要性」の演題で発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度のwebアンケート結果を踏まえ、経営形態の時期(平成21年~26年の5年間)とタイプを限定した、アンケート調査の実施により、高い回収率のデータが得られた。調査項目に「経営形態移行に関する総合評価」を追加し、その結果の中で、「良かった」と「悪かった」と評価した病院へのヒアリング調査を実施することで、自治体病院の経営形態移行の健康影響に及ぼす要因等について有用な情報を得る事ができた。ただし、平成26年度の研究計画に入っていた自治体病院の経営形態移行への健康影響予測評価(Health Impact Assessment)のスクリーニング実施を受け入れてくれる新規に経営形態が移行する自治体病院が見つからず実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は是非、病院の経営形態移行の健康影響に関するHIAスクリーニングを実施するために、全日本自治体病院協議会の事務局担当者に本研究の主旨を説明し理解を得ることができるよう積極的に働きかけを行う。
|
Causes of Carryover |
HIAスクリーニング実施にかかわる謝金を平成26年度の予算として計上していたが、対象自治体病院の選定や協力依頼が得られず、当該年度内の実施ができなかったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に再度実施予定としているので、その予算に充てる。
|
Research Products
(1 results)