2014 Fiscal Year Research-status Report
神経因性疼痛における新規KチャネルとATPの役割に関する研究
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25460731
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
山本 悟史 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (60220464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康一 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (30274848)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経因性疼痛 / 脊髄後根神経節 / K+チャネル / 熱 / ATP / ATP受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:「末梢神経傷害が交感神経節後細胞の発芽を誘起し,その軸索が脊髄後根神経節神経細胞(DRG神経細胞)に到達している」という報告がある.我々は,交感神経から放出されるノルアドレナリン(NA)が新規Kチャネル(Kheatチャネル)を抑制することを報告しており,またNAはDRG神経細胞からATPを放出させることが示されている.本研究では,「ATPがP2Y受容体を介してKheatチャネルやTRPV1受容体に作用し,神経因性疼痛の発生要因になっている」と仮説を立て,その可能性について検討する.本年度は,「ATPによるKheatチャネルおよびTRPV1受容体の制御機構」について検証する. 方法: パッチクランプ法を使用してDRG神経細胞から膜電流記録を行い: 1.熱刺激によって誘起されたKheatチャネル電流(IKheat)を測定し,ATPがP2Y受容体を介してIKheatを制御することを確認し,その機序を検証する,2.ATPがP2Y受容体を介してTRPV1受容体機能を制御することを確認し,その機序がTRPV1受容体の熱による活性化閾値を低下させることに起因しているか検証する. 結果:上記方法で得られた結果は次の通り:1.熱刺激により誘起されたIKheatを測定できたが,現在までのところATPによるIKheatの制御は確認できていない.DRG神経細胞にはATPによって活性化されるP2X受容体も存在しているため,P2Y受容体のみを介した測定条件を検索している.2.については未実施.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ATPがP2Y受容体を介してIKheatを制御することを検証しているが、その現象が確認できていない。その可能性として、1)実験条件が適切ではない、2)仮説が間違っている、などが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画が遅れている原因として、実験条件が整っていないことが考えられるため、その阻害要因となっているP2X受容体を活性化しない条件を検討して研究を進める。
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Causes of Carryover |
実験仮説に沿って研究を行ったが、予測通りの研究結果を得ることができず、物品等の購入が滞ってしまったため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験条件を見直し、遅れた研究分の必要物品等の購入費用に充てる。
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Research Products
(1 results)