2015 Fiscal Year Research-status Report
がん化学療法時における栄養摂取量についてのゲノム情報を加味したエビデンスの確立
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25460745
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菱田 朝陽 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40447339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 誓雄 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (50242962)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消化器外科学 / 遺伝子多型 / 緩和医療学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(平成27年度)は、伊賀市立上野総合市民病院・消化器外科において、消化器がん患者(大腸がん、胃がん、食道がん、膵がん、胆管がん)計70例の血液検体、アンケートデータと臨床データ(参加対象患者の採血データ、生命予後、体重、等)を収集し、PCR-CTPP法による遺伝子型決定と、それに引き続いて、データの統計解析・論文作成を開始した。炎症性サイトカイン(IL-1B,IL-6,IL-10,等)の遺伝子多型が消化器がん患者の臨床(生命)予後に与える影響をいくつか見出し、論文を準備中である。今後、既報の欧米をはじめとする諸外国で報告された炎症性サイトカイン以外の遺伝子多型についても、検討を予定している。これらの研究結果は、化学療法を中心とした治療中の消化器がん患者の、それぞれの体質に応じた栄養介入に、将来的には有用な所見になるものと考えている。また、これらの患者における体重減少と前述の遺伝子多型の関連についても解析中である。参加者(対象患者)の栄養摂取状況についても、アンケート調査を行っており、血清検体の測定も行っているため、これらの蓄積されたデータについても、今後、解析等を予定している。また将来的に、状況により、バイオバンクのサンプル・データとのプール解析の可能性についても模索・検討中である。(当該研究実施施設での体制整備と検体収集に時間を要したため、1年の延長申請を行い、来年度中には上記研究の成果発表を完了する予定である。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の研究フィールドである、伊賀市立上野総合市民病院における慢性的な医師不足等の理由により、研究体制の整備、研究協力者である化学療法中の消化器がん患者のリクルートに、当初の予定以上に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでにご参加頂いた、約70例の消化器がん患者にご提供頂いたDNAサンプル・臨床データを用いて、種々の遺伝子型決定を行い、統計解析・論文解析・投稿を順次行っていく。(すでに一部の炎症性サイトカインの遺伝子多型については、遺伝子型決定、統計解析・論文作成を開始している。) また、予算等の状況が許せば、公的バイオバンク等のデータとの統合解析(プール解析等)も予定している。
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Causes of Carryover |
本研究の実施フィールドである、伊賀市立上野総合市民病院の慢性的医師不足により、研究体制の整備や研究参加者のリクルートに予想以上に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、収集した70例の血液検体・臨床データの有効活用のため、同検体・データを用いた、遺伝子・血清の測定や、公的バイオバンクへのデータ提供申請、成果論文の論文投稿費などに充てる予定である。
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