2014 Fiscal Year Research-status Report
軽度虚弱高齢者を対象とした地域包括ケアのためのケアマネジメント手法の開発
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25460828
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 達彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (00446121)
藤野 善久 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80352326)
林田 賢史 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80363050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護予防 / ケアマネジメント / 質評価 / 介護保険 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは高齢者の医療・介護・生活の状況を総合的に評価する生活総合支援調査票を開発し、それを医療・介護レセプトと連結し、ケアマネジメントの効果を分析するシステムを開発した。なお、生活総合支援調査票については、各項目にどのサービスが必要となるかを推察するためのトリガー項目を設定し、ケアプラン作成の参考となるよう工夫した。また、主治医意見書の情報を取り込む仕組みについても試験的に開発した。平成26年度はこのシステムを福岡県内の2つの自治体で実装し、地区診断及びケアマネジメントの評価を行うシステムとして継続的に開発を行った。 平成26年度の分析結果では尿失禁、転倒経験のある高齢者で主観的健康感が悪い、閉じこもり傾向にある、抑うつ傾向が強いといった問題がある割合が高く、こうした高齢者で要介護度が悪化する傾向が観察された。また、基本チェックリストの各項目とのクロス分析では、活動レベルの低い高齢者は口腔ケアのニーズも高かった。医科レセプトとの突合分析の結果では口腔ケアのニーズの高さとその後の肺炎の発生頻度との関係は明確ではなかった。しかしながら、口腔ケアのニーズの高い高齢者では主観的健康感が悪く、また医療費も高い傾向が観察された。開催した健康教育において、参加者に対する意見聴取を行った結果、口腔ケアに関するプログラム希望者が多いことも明らかとなった。 平成27年度はこの知見をもとに尿失禁や転倒、口腔ケアに関するプログラムを策定し、その効果を検証する。また、歯科レセプトについても連結を試み、口腔ケアのケアマネジメントについて医療経済的な分析を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケアマネジメントの質を評価するためのデータベース及び分析手法についておおむねシステム化ができ、またそれを用いた評価が漸次可能になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
アセスメント票に設定されたトリガー項目とケアプランの整合性について検証し、生活総合支援調査票の内容をさらに精緻化する。また、これに対応したマニュアルの策定とケアマネジメント事例集の作成を試みる。
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