2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25460832
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
左近 直美 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (50291216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上林 大起 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (50622560)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノロウイルス / 変異 / 再感染 / 不顕性感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
ノロウイルス(NV)の変異率に関する研究として、全年齢層を対象とした大規模な長期間の観察を実施してきたが、最終年度は、個体レベルに標準を定めてNV遺伝子型およびその変異について解析を実施した。具体的には1)個体における同一遺伝子型の再感染におけるNVの変異について、2)排泄期間中のNV変異について解析した。 1)個体における同一遺伝子型の再感染解析では、小児AでNV GII.2, GII.3とGII.4による再感染を認めた。再感染の間隔は順に23、46、23ヶ月であった。NV N/S領域の一致率は順に96.7%(アミノ酸97.9%)、96.8%(アミノ酸97.8%)、96.4%(アミノ酸98.9%)であった。これら3遺伝子型の6回の感染に対して、嘔吐・下痢を発症したのはGII.3の2回目の感染時であり、GII.2およびGII.4の計4回の感染は不顕性であった。 2)排泄期間中のNV変異解析では、小児BにおけるGII.3不顕性感染事例について12日間7検体を採取した。VP1およびVP2領域をRT-PCRにて増幅しdeep sequenceを実施したところ、得られたコンセンサスシーケンス2483bpにおいて塩基配列の相違は認めなかった。 本解析で対象となった小児は生来健康で、NVに不顕性、顕性感染のいずれも示している。再感染の解析からは過去にかかった遺伝子型に対する防御免疫は約2年維持されるが、発症を阻止できるが感染を阻止できない免疫の存在が示唆された。変異解析では、不顕性感染を許容する免疫によるプレッシャーが変異株の出現を抑制できることが示唆された。変異株の出現には免疫回避が要因するとの報告があるが、ウイルス複製を許容する状況がなければ変異株の出現を説明できない。総じて、NV感染における発症病理について、感染を防御しないが、発症を防御する免疫応答が存在することが示唆された。
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[Journal Article] Genetic analysis of human rotavirus C: The appearance of Indian-Bangladeshi strain in Far East Asian countries.2016
Author(s)
Doan YH, Haga K, Fujimoto A, Fujii Y, Takai-Todaka R, Oka T, Kimura H, Yoshizumi S, Shigemoto N, Okamoto-Nakagawa R, Shirabe K, Shinomiya H, Sakon N, Katayama K.
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Journal Title
Infect Genet Evol
Volume: 41
Pages: 160-173
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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