2014 Fiscal Year Research-status Report
脂肪の炎症が近接臓器および脂肪由来幹細胞の質に及ぼす影響
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25461067
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
天野 篤 順天堂大学, 医学部, 教授 (70338440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / アディポサイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度中に採取した脂肪組織からの解析用サンプルの作成を行った。脂肪組織は除外基準を除き303人から得られた。同一患者から複数の脂肪が得られており、サンプル数は842であった。部位では皮下が最多で286サンプルであり、次いで心嚢周囲254、冠動脈周囲202、内胸動脈周囲98、左心耳周囲2サンプルであった。患者の平均年齢は67.1歳であった。うち糖尿病は95例、高血圧は192、脂質異常症138、腎不全は56例でそのうち術前より透析が導入されていた症例は16例であった。内服薬としてスタチンを134例で服用しており、ベータ-ブロッカーは98例、ACEもしくはARBは136例、インスリンは13例で導入されていた。得られた組織をそれぞれRNA採取用に保存し、採取した脂肪が十分に多い場合は、4%のパラホルムアルデヒドに浸透したのち脱水を行い、凍結組織切片とした。残りの組織をウェスタンブロット解析用とし、さらに脂肪が残存している場合は心房幹細胞培養用のサンプルとし、採取日より2回継代するまで脂肪幹細胞培養を行った。得られた脂肪幹細胞の数をカウントした後、凍結保存とした。また細胞の上清を、継代するごとに保存し、ELISA解析用の試料として保存した。RNA用のサンプルは842、凍結切片は506、ウェスタンブロット用の試料は402であった。また244サンプルで脂肪幹細胞培養を行った。現在これらのサンプルを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほとんどの組織において解析用試料への調整は終了しており、現在解析が進行中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪サンプルの採取は終了し得られた組織の解析を継続して行う。まずはPCR法にて脂肪から放出される炎症サイトカイン(TNFα、IL-6、IL1β)を測定する。さらにアディポサイトカインであるアディポネクチン、レプチン、アンジオテンシノーゲンを測定、これらのサイトカインの発現と患者背景因子(年齢、性別、虚血性心疾患の有無、血清脂質による差異、糖尿病の有無による差異、内服薬[スタチン、DPP4阻害剤]の内服の影響)などを比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
概ね順調に進行しており、ほぼ予定通りの物品を購入をしているがやや余剰が出てしまっている
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り、解析および試料作製に必要な物品を購入する計画である。
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