2014 Fiscal Year Research-status Report
CKD-MBDにおける酸化ストレスおよび細胞周期チェックポイントの解明
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25461247
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
濱田 康弘 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30397830)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 酸化ストレス / CKD-MBD |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病患者ではいわゆる腎性骨症とよばれるさまざまな骨病変を引き起こし、このような状態を包括した概念として慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder: CKD-MBD)という用語が提唱されている。近年、骨代謝回転が低下した低回転骨が多くを占めるようになってきている。低回転骨に対しては効果的な治療法が存在せず、その病態解明、治療法の開発は急務である。そこでこの低回転骨の発症進展機序の解明を目指す。 これまでに、この低回転骨の発症進展メカニズムの一つとしてこれまでに酸化ストレスの関与が深いことを報告してきた。さらに酸化ストレスと細胞周期チェックポイントの関連を示唆する所見も得ている。低回転骨をきたす代表的な疾患であり、多数の患者のいる疾患として糖尿病がある。そこで、糖尿病モデル動物を用いた検討を行っている。具体的には、抗酸化ストレス作用の効果を解明する目的で、まずは現在すでに脂質代謝異常の治療薬として実地臨床で用いられているスタチン製剤に注目して検討を行った。スタチンの投与により糖尿病により惹起される低回転性の骨減少症を改善することがわかった。スタチン製剤は抗酸化作用のみならず、骨芽細胞分化促進因子であるbone morphogenetic protein 2 (BMP-2)のプロモーター活性を促進することで、新生骨形成を促進する作用も持つことが報告されており、現在改善メカニズムにつき検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年4月に神戸大学から徳島大学へ異動となったため、研究体制の整備にも時間を費やす必要があったため、その分研究計画にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ストレプトゾトシン投与により糖尿病を誘発し、マウスを1)非糖尿病+スタチン非投与マウス、2)非糖尿病+スタチン投与マウス 、3)糖尿病+スタチン非投与マウス、 4)糖尿病+スタチン投与マウスの4群にわけて採取したサンプルを引き続き解析していく。 さらに、酸化ストレスと細胞周期チェックポイントとの相関を調べるため、ストレプトゾトシン投与により糖尿病を誘発し、マウスを1)非糖尿病野生型マウス、2)非糖尿病Chk2ノックアウトマウス 、3)糖尿病野生型マウス、 4)糖尿病Chk2ノックアウトマウスの4群にわけ、糖尿病性低回転骨の進展増悪に対する細胞周期チェックポイント機構を解析していく。
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Causes of Carryover |
平成25年4月に神戸大学から徳島大学へ異動となり、研究体制の整備を行うのに時間を要したため、当初予定していた研究計画をやや後へずらして使用しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画にやや遅れが生じている分を当初の予定期間より順次少し後ろへずらしながら研究を遂行していく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Effect of dietary components on renal inorganic phosphate (Pi) excretion induced by a Pi-depleted diet2014
Author(s)
Ohnishi R, Segawa H, Ohmoto T, Sasaki S, Hanazaki A, Mori A, Ikuta K, Furutani J, Kawakami E, Tatsumi S, Hamada Y, Miyamoto K
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Journal Title
J Med Invest
Volume: 61
Pages: 162-170
Peer Reviewed
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