2015 Fiscal Year Annual Research Report
CKD-MBDにおける酸化ストレスおよび細胞周期チェックポイントの解明
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25461247
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
濱田 康弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30397830)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 糖尿病性骨減少症 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病患者ではいわゆる腎性骨症と呼ばれるさまざまな骨病変を引き起し、このような状態を包括した概念として「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder: CKD-MBD)」という用語が提唱されている(Moe S. et al: Kidney Int. 69:1945-1953: 2006)。このCKD-MBDは生命予後、Quality of Life (QOL)に大きな影響を及ぼし、このCKD-MBDの中でも骨代謝回転が低下したいわゆる低回転骨が近年増加しているものの、低回転骨に対しては臨床的に著効するといえる治療法が存在しない。 この低回転骨の発症進展メカニズムの一つとして、われわれはこれまでに酸化ストレスの関与が深いことを報告し、さらに酸化ストレスと細胞周期チェックポイントの関連を示唆する所見も得ている。 本研究課題においては、低回転骨をきたす代表的な疾患である糖尿病に着目し、糖尿病モデル動物を用いた検討をおこなった。具体的には、抗酸化ストレス作用の効果を解明する目的で、まずは現在すでに脂質代謝異常の治療薬として実地臨床で用いられているスタチン製剤に注目して検討を行った。スタチンの投与により糖尿病により惹起される低回転性の骨減少症を改善することがわかった。一方で、細胞周期チェックポイントの果たす役割を解明する目的で、Checkpoint kinase 2 (Chk2)遺伝子をノックアウトしたマウスを用いた検討においては、現時点では低回転骨の発症進展に関して有意な差はみられなかった。
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Research Products
(1 results)