2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者における酸化ストレスのPETイメージング
Project/Area Number |
25461311
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
井川 正道 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (60444212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 誠 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (70270551)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 酸化ストレス / PET / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では,酸化ストレスが運動ニューロンの変性に関与していることが家族性ALSやモデル動物による研究から示唆されているが,患者生体脳における実証はまだない. 本研究では,申請者らが開発した62Cu-ATSM PETによる酸化ストレスイメージングによって,ALSにおける神経変性への酸化ストレスの関与を明らかにした.62Cu-ATSMは,過還元状態と呼ばれる,おもにミトコンドリア呼吸鎖の機能不全により電子が過剰に滞留し,酸化ストレスを惹起している部位に集積するため,本PETは酸化ストレスを生体で画像化できる. 12名のALS患者(平均年齢65歳)と同年代の健常対照者を対象とし,頭部の62Cu-ATSM PETを施行した.30分間のダイナミックPET撮影を行い,各被験者のstandardized uptake value(SUV)画像を作成し,Statistical Parametric Mapping 2(SPM2)を用いて,解剖学的標準化および全脳平均を行った.さらにSPM2を用いて患者群と対照者群で集積を比較し,SPM上で患者群で有意な集積増加が認められた領域のSUV値を算出し,群間での比較および重症度との相関を検討した. その結果,SPMにて両側の運動皮質と右頭頂葉皮質に,対照者群と比較して患者群で有意な集積増加が認められた.患者群における両側運動皮質のSUV値は対照者群より有意に増加しており,さらに患者群における同部のSUV値は,重症度と正の相関を示した. 以上より,ALSでは,運動皮質における酸化ストレスが増加しており,症状が強いほど,すなわち神経変性が進むほど,酸化ストレスが増加することが示された.したがって本研究により,ALSにおける神経変性には,酸化ストレスが関与することが明らかとなった.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Detection of preclinically latent hyperperfusion due to stroke-like episodes by arterial spin-labeling perfusion MRI in MELAS patients2013
Author(s)
Ikawa M, Yoneda M, Muramatsu T, Matsunaga A, Tsujikawa T, Yamamoto T, Kosaka N, Kinoshita K, Yamamura O, Hamano T, Nakamoto Y, Kimura H
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Journal Title
Mitochondrion
Volume: 13
Pages: 676-680
DOI
Peer Reviewed
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