2015 Fiscal Year Annual Research Report
肥満・糖尿病が肝がんの発症と腫瘍関連マクロファージの極性に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
25461333
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
薄井 勲 富山大学, 大学病院, 講師 (50377272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 芳弘 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10541956)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝がん / 肥満 / 糖尿病 / マクロファージ / HIF-1 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では課題1として肥満・糖尿病が肝がんの発症と腫瘍関連マクロファージ(TAM)の極性に与える影響を、また課題2ではTAMの極性変化が肝がんの発症にあたえる影響について調べた。 課題1では、野生型C57BL/6マウスに化学発がん物質であるdiethylnitrosamine(DEN)を投与し、肝がんの発現を誘導した。高脂肪食によって肥満・糖尿病を誘導したマウスでは通常食にて飼育した非肥満マウスと比較して、30週齢時に発症した肝がんの数と大きさおよび腫瘍の内外に浸潤するマクロファージの数が増加していた。高脂肪食負荷マウスの肝臓には、炎症性のM1極性を持つマクロファージと抗炎症性のM2極性を持つマクロファージの両者が浸潤していたが、腫瘍の発現に伴い数が増加するのは主にM1様の極性のものであった。腫瘍サイズの大きいものほど浸潤数が多かった。 課題2では、マクロファージの炎症性M1極性を低下させることを目的に、マクロファージ特異的HIF-1alpha欠損マウス(KO)を用いた実験を行った。高脂肪食条件にて飼育後30週齢でDEN誘導性肝がんと肝臓に浸潤するマクロファージを評価した。野生型マウスと比較し、KOマウスでは肝細胞がんの数が減少したが、サイズには有意な変化は認めなかった。腫瘍の内外から採取したマクロファージでは、炎症性M1マーカーと非炎症性のM2マーカーの両者が低下していた。 以上の結果より、肥満マウスの肝臓ではHIF-1alpha依存性にマクロファージが活性され、肝がんの発症を促進していると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Deletion of SIRT1 in myeloid cells impairs glucose metabolism with enhancing inflammatory response to adipose tissue hypoxia.2016
Author(s)
1.Takikawa A, Usui I, Fujisaka S, Ikutani M, Senda S, Hattori S, Tsuneyama K, Koshimizu Y, Inoue R, Tanaka-Hayashi A, Nakagawa T, Nagai Y, Takatsu K, Sasaoka T, Mori H, Tobe K.
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Journal Title
Diabetology International
Volume: 7
Pages: 59-68
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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