2014 Fiscal Year Research-status Report
抗インターフェロンγ自己抗体の臨床的意義-新たな後天性免疫不全の概念として-
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25461507
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (90361906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 拓郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00444159)
田邊 嘉也 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40444161)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非結核性抗酸菌症 / 抗インターフェロンガンマ抗体 / 中和能 / Jurakat細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近年増加傾向にある非結核性抗酸菌症の中でも背景に免疫不全を持たない個人に全身性に播種性の病変をきたす症例群の中から見出された。抗インターフェロンガンマ中和自己抗体の検出法の確立を、その陽性例の臨床的背景を明らかにすることを目的として計画されている。 昨年度は血清、もしくは血漿中のIgGクラス抗体濃度をELISA法を用いて検出する方法と、全血における外来性インターフェロンγに対しての中和能を定性的に評価する方法を確立した。本年度は、全血検体での中和能測定における弱点であった、保存検体での中和能の定性法の確立を試みた。ヒト不死化リンパ球細胞株であるJurkat細胞をインターフェロンγで刺激すると、そのシグナルは細胞表面レセプターでを通して、細胞内の転写因子であるSTAT1のリン酸化を惹起する。培養液中に抗体陽性患者の血清もしくは血漿を任意の濃度で混和し、対照として健常者の血清を混和した。その状況下でJurkat細胞をインターフェロンγで刺激したところ、抗体陽性患者ではSTAT1リン酸化が完全に抑制されることを見出した。複数の症例で検討を行い、感度、特異度ともに100%で判別ができることが明らかになった。 また、全国の各施設より測定依頼を受託しており、本年度までに20例の陽性例を見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに抗インターフェロンガンマ自己抗体の検出系の確立を達成できている。また検体収集も継続しており、非常に稀な疾患であることから考えると、すでに20例の集積を行なえていることで、順調な経過と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
検出系は保存検体でも可能となっており、今後も学会や学術雑誌での発表を通して啓蒙を継続し、検体収集に努める。最終的に本抗体陽性者の臨床的特徴を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初の予定より、研究計画に滞りなく順調に進行したため、試薬費等で見込んだ額が本年度は抑制された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度にむけて、検体集積の加速化を図る。また抗体プロファイルを明らかにするための解析を進める。
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