2013 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧症における内皮由来過分極因子の役割解明と治療応用
Project/Area Number |
25461621
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
早渕 康信 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20403686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪田 美穂 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (80532514)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 肺動脈 / 血管内皮由来過分極因子 / チャネル / カリウムチャネル / 血管 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 |
Research Abstract |
小児の肺動脈性肺高血圧症では病態の進行とともに、血管内膜の肥厚線維化・中膜の平滑筋層肥大・叢状病変と呼ばれる複雑な像を呈する病変が認められ、心不全の増悪を引き起こし、患児の予後に大きく影響している。 本研究では肺動脈性肺高血圧症の血管病変における血管内皮由来過分極因子(Endothelium-derived hyperpolarizingfactor, EDHF)の作用状態、及びEDHFの肺高血圧病変進行抑制における役割解明と肺高血圧症への治療応用の開発に関して、主として、カリウムチャネル制御の点から検討していくことを目的としてすすめることとした。 まず、コントロール(正常肺動脈圧)ラットおよび肺高血圧ラットにおける肺動脈のEDHF産生・遊離およびEDHFに対する血管平滑筋細胞の反応の検討を行った。 モノクロタリン投与または低酸素暴露によって肺高血圧を呈したラットの肺血管組織を摘出し、血管張力測定を施行して、内皮依存性弛緩およびEDHF依存性弛緩について観察する。EDHF依存性弛緩の検討ではPGI2 阻害剤、NO産生阻害剤、グアニル酸サイクラーゼ阻害剤などを適宜使用して施行した。 肺高血圧ラットにおいては内皮依存性の血管弛緩反応低下が認められ、肺血管のEDHF に対する反応を検討したところ反応性の低下が認められた。 次に、各々のラット群において、血管内皮細胞のKCa3.1, KCa2.3 channel、平滑筋細胞のKCa1.1 Channel の発現量をWestern blot、免疫組織染色および電気生理学的手法を用いて検討することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のごとく、コントロール(正常肺動脈圧)ラットおよび肺高血圧ラットにおける肺動脈の血管内皮由来過分極因子(EDHF)産生・遊離およびEDHFに対する血管平滑筋細胞の反応の検討を行った。肺高血圧ラットにおいては内皮依存性の血管弛緩反応低下が認められ、肺血管のEDHF に対する反応を検討したところ反応性の低下が認められた。 次に、各々のラット群において、血管内皮細胞のKCa3.1, KCa2.3 channel、平滑筋細胞のKCa1.1 Channel の発現量をWestern blot、免疫組織染色および電気生理学的手法を用いて検討するように考えており、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次に、コントロール(正常肺動脈圧)ラットおよび肺高血圧ラットにおける血管内皮細胞のKCa3.1, KCa2.3 channel、平滑筋細胞のKCa1.1 Channel の発現量をWestern blot、免疫組織染色および電気生理学的手法を用いて検討するように考えている。電気生理学的検討は、摘出した組織において多光子共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞膜電位測定を施行することに加えて、血管内皮細胞および平滑筋細胞を各々単離して、Patch clamp 法を用いたChannel 電流の測定、膜電位測定(Whole-cell configuration,Cell-attached configuration)を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月納品となり、支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 平成26年4月に支払い完了予定である。
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