2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25461634
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
金子 一成 関西医科大学, 医学部, 教授 (00214453)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 微小変化型ネフローゼ症候 / ポドサイト / エンドセリン / エンドセリン受容体拮抗薬 / アンブリセンタン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、微小変化型ネフローゼ症候群(本症)の病因としてポドサイト関連分子の発現異常が注目されている。強力な血管収縮作用を有するエンドセリン(ET)も、受容体(ET受容体: ETA)がポドサイトに発現している事が明らかになり、ETがポドサイトの構造変化やタンパク尿を惹起する可能性が報告されている。そこで、本症モデルラットを用いETA拮抗薬(アンブリセンタン)の治療薬としての可能性を検討した。その結果、アンブリセンタン非投与群では著明なタンパク尿を呈したのに対し、アンブリセンタン投与群ではタンパク尿は軽減した。同一日の尿量と血清Cr値は両群間で有意差は無かった。電子顕微鏡所見ではアンブリセンタン非投与群において本症に特徴的なポドサイトの足突起癒合を認めたが、アンブリセンタン投与群では認めなかった。 以上より、アンブリセンタンは腎血管収縮によらないポドサイトへの直接作用で抗タンパク尿効果を発揮する事が示唆され、本症の治療薬としての可能性があると思われた。
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