2014 Fiscal Year Research-status Report
神経幹細胞移植による抑制性神経可塑性誘導の抗てんかん機構の解明と治療応用
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25461738
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
村島 善也 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (50182118)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 細胞移植 / てんかん / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
移植部位は両側背側海馬であり、一側1x104個/μlの神経幹細胞をハミルトンシリンジを用いて、脳定位固定装置下にて注入した。頭頂皮質、海馬、歯状回に多くの局在が存在した。感度を上げるため、断頭後脳を取り出し、ドライアイスエタノール下で凍結脳を作成した。これから5μmの厚さでクライオトームにて連続切片を得た。これはパラフィン固定したものより感度が高いことを予備実験で確認しているためである。また薄い切片を用いた方がやはり高感度が得られたからである。カウントに際しても1切片の断面上に1細胞以上含まれることは無くより正確に計測ができた。新生細胞の細胞種を特定するため、ニューロン特異的 NeuN, グリア細胞に特異的 GFAP, 機能神経細胞に特異的なPSA (Poly sialic acid) をマーカ-として、FITCラベリングを用い、多重染色を行った。 上記の項目は全て、移植マウス群のみならず、発達過程を追って、まだ発作を起こしていない幼弱な5週齢から、頻繁に発作が誘発される28週齢にまでわたって、検討した。これによって、てんかん発作発現前の脳で、如何に遺伝子発現が変化し、さらにその局在も変化し、てんかん原性を獲得してゆくのか、そしてそれが神経幹細胞移植により如何に神経可塑性の正常化が獲得されるかを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に移植脳標品を作成した後に行った研究計画であったため、極めて実現性が高かった。また、神経可塑性への影響という、普遍的テーマを選択したため、研究計画の予定通りの成果をあげ、臨床応用につながる問題にまで迫ることができた為である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床応用するためには、その安全性と確実性の検討が必要である。基礎研究が成功したからと言って、安易な臨床応用は避けなくてはならない。このためin vitroでinvivoで成功した移植実験の検討を行い、より実現性の高い方法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
抗体標品が最も経費がかかるが、実験の効率化によって、最小化を図った為である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
しかし最終年度は再現性の確認など、より多くの経費を見込んでいる。また国際的業績の公表にも経費を見込んでいる。
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