2014 Fiscal Year Research-status Report
酸素吸入による脳血管・脳脊髄液の動的MRイメージング
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25461815
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伏見 育崇 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90639014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸素吸入イメージング / 高時間分解能 / 高空間分解能 / 脳脊髄液腔 |
Outline of Annual Research Achievements |
MRIにおける酸素吸入イメージングを確立するために、研究計画に従い今年度(平成26年度)は以下のような成果が得られた。(A) 酸素吸入イメージングにおける高磁場MRI 装置の優位性の証明は、初年度で概ね達成されたため、(B)-(D)が中心となった。 1. (A) 酸素吸入イメージングにおける高磁場MRI 装置の優位性の証明については、平成25年度に投稿していたが本年度に英文誌上に掲載された(PLoS One 2014)。 2. (B) 高時間分解能を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングの確立 については、高空間分解能を保った3Dイメージングを開始し、酸素吸入前後で脳脊髄液腔の信号変化を観察できた。T1緩和時間を算出するMatlabを用いた解析プログラムによる定量値の変化も描出でき、データ収集を行っている。高時間分解能を追求する過程において、従来は2Dで行われていたDynamic撮影の3D化が可能になり、下垂体領域に応用し、英文誌上発表を行った(EJR 2014)。 3. (C) 酸素吸入イメージングにおける脳脊髄液の動態解析モデル解明への取り組み、については、引き続き、モデル解析プログラムを検討している。この過程で、酸素の磁化率の定量性を評価するために定量的磁化率マッピングの検討も行った。 4. (D) 酸素吸入による脳血管・脳脊髄液の動的MR イメージングの臨床への応用、については、(B)の高時間分解能化を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングが健常被験者に対して行われているため、これが終了した段階で、今後データ収集を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. (A) 酸素吸入イメージングにおける高磁場MRI装置の優位性の証明のために、平成25年度に行った3 テスラ、1.5 テスラMRI 装置を使用して酸素吸入イメージングを行った。まずは、高磁場MRI装置での高時間分解能の酸素吸入イメージング自体の報告が少なかったため、3 テスラMRI 装置における酸素吸入後の信号変化の結果を英文誌上発表した(PLoS One. 2014, e100723)。脳脊髄液の産生、分布の部位による酸素の拡散の違いが示されたことから、撮影方法・解析方法を含めた知的財産を見出したため、特許を出願していたが、平成26年度に公開された。公開番号:2015-039407。ほぼ全体的に達成できている。2. (B) 高時間分解能を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングの確立 については、高空間分解能を保った3Dイメージングを開始し、酸素吸入前後で脳脊髄液腔の信号変化を観察できた。T1緩和時間を算出するMatlabを用いた解析プログラムによる定量値の変化も描出できている。現在、健常被験者を対象にしたデータ収集を行っている。高時間分解能を追求する過程において、従来は2Dで行われていたDynamic撮影の3D化が可能になり、3D-Dynamic撮影として下垂体領域に応用した。(Eur J Radiol 2014, 1900-1906.) 3/4程度達成できていると考えられる。3. (C) 酸素吸入イメージングにおける脳脊髄液の動態解析モデル解明への取り組み、については、引き続き、モデル解析プログラムを検討している。この過程で、酸素の磁化率の定量性を評価するために定量的磁化率マッピングの検討も行い、データ収集を行っている。1/2程度達成できていると考えられる。4. (D) 酸素吸入による脳血管・脳脊髄液の動的MR イメージングの臨床への応用、については、(B)が終了した段階で、今後データ収集を行っていく予定である。以上を総合して、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(A) 酸素吸入イメージングにおける高磁場MRI 装置の優位性の証明としては、定性的には完了している。(C)にもつながるが、定量的評価方法を開発中であり、データ収集を行っている。 (B) 高時間分解能を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングの確立 については、引き続き、健常被験者を対象にしたデータ収集を行っていく。 (C) 酸素吸入イメージングにおける脳脊髄液の動態解析モデル解明への取り組み、については、引き続き、モデル解析プログラムを検討していきながら、酸素の磁化率の定量性を評価するために定量的磁化率マッピングの検討も行い、データ収集を行っていく。 (D) 酸素吸入による脳血管・脳脊髄液の動的MR イメージングの臨床への応用、については、(B)の高時間分解能化を保った高空間分解能の酸素吸入イメージングが健常被験者に対して行われているため、これが終了した段階で、今後データ収集を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(C) 酸素吸入イメージングにおける脳脊髄液の動態解析モデル解明への取り組み、については、モデル解析プログラムを検討するにあたり、試験薬、試験薬に伴った消耗品などを用いて酸素の濃度などを測定する必要性が出てきた。ソフトウエア購入、情報収集目的の学会参加などの予定もあり、未使用額を次年度使用額として使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
モデル解析プログラムを検討していきながら、酸素の磁化率の定量性を評価するために、試験薬購入、消耗品購入、ソフトウエア購入、情報収集目的の学会参加などを予定している。
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Research Products
(4 results)