Outline of Annual Research Achievements |
DOTATOC-PET/CT検査を受けた100人の患者について、PET/CT画像を振り返り、生理的集積を定量的に解析した。生理的集積をみとめる部位におけるSUVmaxの平均±標準偏差、最小値、最大値は以下のとおりである。すなわち、下垂体(8.7±3.6, 2.7, 20.9)、甲状腺(2.5±0.9, 0.7, 5.9)、膵臓(鉤部-頭部)(6.3±3.6, 1.8, 21.7)、膵臓(体部-尾部)(3.8±1.1, 1.9, 7.4)、肝臓(7.7±2.4, 2.9, 19.0)、脾臓(25.4±8.6, 4.8, 50.5)、副腎(13.4±4.6, 2.6, 26.1)、腎皮質(19.7±6.5, 5.5, 39.8)、胃(5.9±2.3, 1.6, 11.7)、腸管(4.9±1.6, 1.0, 12.1)であった。また下垂体の生理的集積は男性7.8±3.3、女性9.3±3.7, 腎臓では、男性21.6±6.3、女性16.9±5.7 を示し、有意な性差をみとめたが、その他の臓器にはあきらかな性差を認めなかった。ホルモンレベルがDOTATOCの生理的集積に影響を与えた可能性がないかを調査するために、ACTH高値の9人、ガストリン高値の32人、インスリン高値の11人、グルカゴン高値の5人、FGF-23高値の10人を抽出し、それぞれのホルモン値が正常範囲の129人の患者と比較検討した。結果、下垂体の集積は、ホルモン値異常なし群(8.4±3.3)に対して ACTH高値群で低く(6.1±4.8, p=0.029)、グルカゴン高値群で高かった(11.6±2.6, p=0.025)。また副腎の集積も、ホルモン値異常なし群(13.8±4.8),に対して ACTH高値群で低く(11.4±4.8, p=0.042)、グルカゴン高値群で高かった(17.9±2.3, p=0.017)。また肝臓、膵臓、脾臓の生理的集積に対するホルモンレベルの影響は見られなかった。ACTHやグルカゴンなどのホルモンが生理的にソマトスタチン受容体の発現に影響を与えている可能性が示唆された。
|