2015 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌における細胞外マトリックス成分の発現動態を介した癌転移浸潤機構の解明
| Project/Area Number |
25462001
|
|---|
| Research Institution | Aichi Medical University |
|---|
Principal Investigator |
高阪 絢子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50440748)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
藤井 公人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00524331)
手塚 理恵 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20634132) [Withdrawn]
福富 隆志 愛知医科大学, その他部局等, 名誉教授 (30165302)
吉田 美和 昭和大学, 医学部, 講師 (30556098)
安藤 孝人 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40634134)
今井 常夫 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80252245)
塩見 有佳子 (毛利有佳子) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90465576)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 甲状腺癌 / 基底膜 / IV型コラーゲン |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリックス成分の一つである基底膜は主にIVコラーゲンより構成されている。IV型コラーゲンには従来から知られているclassic networkに加えて、分子生物学的手法によりsecond networkが存在し、組織特異的に発現することが明らかになっている。これまで鎖特異的抗体を用いた免疫学的手法により１）正常甲状腺濾胞周囲に[α1（IV）]2α2（IV）とともにα3（IV）α4（IV）α5（IV）鎖よりなるsecond networkが断片的に存在していたが、[α5（IV）]2α6（IV）鎖は存在しなかった、２）甲状腺癌原発巣においては、甲状腺乳頭癌88％、甲状腺濾胞癌91％においてsecond networkが保たれていたが、髄様癌、未分化癌においてはいずれもsecond network発現を認めなかったことを報告した。今回、低分化癌の症例追加を行い、甲状腺癌分化度とIVコラーゲンの発現を検討するため、非髄様癌における高分化癌と低・未分化癌におけるclassic networkおよびsecond networkの発現の相関について検討を行った。classic networkにおいては高分化癌、低・未分化癌においてそれぞれ100%、88％が保たれており、分化度に違いにおけるIVコラーゲンの発現に有意差は認めなかった（p=0.104）。一方、second networkにおいては低・未分化癌でその発現が減少し、高分化癌、低・未分化癌においてそれぞれ88%、22%であり
、分化度の違いによりその発現に統計学的有意差を認めた（p<0.001）。今回、甲状腺癌の分化度とsecond networkの発現に相関が見られた。低分化癌において、悪性度は高分化型癌より高く、未分化癌より低いとされるが、診断基準がいまだ確定されておらず、構造異型（充実、島上、策状、硬性）の客観的指標としてIVコラーゲンsecond networkの発現が有用となる可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)
