2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462069
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村田 聡一郎 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40436275)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | モノテルペン / 1,8-cineole / 大腸癌 / アポトーシス |
Research Abstract |
大腸癌は本邦において最も増加の著しい癌で年間10万人が発症し、4万人以上が亡くなっている。大腸癌の再発転移は6~7割が肝転移であり、化学療法が進んだ現在でも難治性である。アロマテラピーは植物の有効成分を凝縮した精油を使って行う自然療法として近年急速に普及している。精油成分の1,8 シネオールは殺菌作用が知られており白血病細胞に対するアポトーシス効果が報告されている。本研究では1,8シネオールをはじめとするアロマテラピーで用いられる精油の有効成分を用いて大腸癌に対する画期的な治療法を確立することを目的とする。 平成25年度は1,8シネオールのヒト大腸癌細胞に与える影響について検討した。ヒト大腸癌細胞株RKOとHCT116に対して1,8シネオールを添加すると濃度依存的に殺細胞効果を認めた。さらに1,8シネオールの作用機序をウエスタンブロットにて解析した。1,8シネオールはRKOの抗アポトーシス分子であるAktとsurvivinを抑制し、アポトーシスを促進した。RKOを免疫不全マウスに移植して、1,8シネオールの投与実験を行ったところ、1,8シネオールは生体内においても腫瘍縮小効果を有することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,8-cineoleの大腸癌細胞に対する抗腫瘍効果を細胞実験と動物実験で明らかにした。本件に関して3回の学会発表と1編の英語論文を出版した。1年目の成果として十分進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、さらなる強力なモノテルペンとしてterpinen 4-olを用いた大腸癌治療法の開発を行っている。今後は投与方法の開発や、他の治療候補となるモノテルペンの探索を行っていく。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Antitumor effect of 1, 8-cineole against colon cancer.2013
Author(s)
Murata S, Shiragami R, Kosugi C, Tezuka T, Yamazaki M, Hirano A, Yoshimura Y, Suzuki M, Shuto K, Ohkohchi N, Koda K.
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Journal Title
Oncol Rep
Volume: 30(6)
Pages: 2647-2652
DOI
Peer Reviewed
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