2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮のシグナル伝達-Rho-kinaseのラフトへの細胞内転位置-
Project/Area Number |
25462218
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
白尾 敏之 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70448281)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ラフト / カベオラ / コレステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては以下のとおり実験を実施した。SDラット (5週) を通常の餌 (F1飼料) で飼育したコントロール群、高コレステロール食 (F1飼料+1%コレステロール+1%コール酸) で飼育した高コレステロール群、コレステロール除去剤を5%添加した高コレステロール食で飼育したコレステロール除去群に分けて実験を実施した。各群のラットに対して全身麻酔・人工呼吸管理下に内頚動脈を採取し、内頚動脈の外膜を剥離・除去した。この検体に対して、ショ糖密度勾配遠心法を用いて血管平滑筋組織の膜ラフトを精製し、11フラクションを分取することでFlotillin-1を用いたwestern blottingにてラフトの存在するフラクションを検討した。実験結果としては、単体の検体からは採取可能なラフトが検出されず総蛋白量の不足が疑われた。検体数を増やし (3検体) てもラフトは検出されず、ラフトの採取に必要な検体数を確保することは動物実験の倫理規定上問題があると判断し実験を断念した。 SDラットを用いる実験の代わりに以下の追加実験を行った。脳血管平滑筋培養細胞を用い、OxyHb (10μM) を加え48時間37℃インキュベートするクモ膜下出血群を作成する。正常群は同量のvehicle (Smooth Muscle Cell Medium) を加えて48時間37℃インキュベートする。各群の培養細胞を用い、HDLによるコレステロール搬出反応の中心となる細胞膜蛋白のATP-binding cassette transporter A1 (ABCA1) の1次抗体を用いてwestern blottingにてABCA1の発現を確認し、クモ膜下出血による変化を検討した。各群のβ-actin発現量に対するABCA1発現量を解析したところ、正常群と比較してクモ膜下出血群でABCA1/β-actin量の低下が示唆された。
|