2013 Fiscal Year Research-status Report
PTH間欠投与が関節軟骨修復過程における間葉系幹細胞の動員と軟骨分化に及ぼす影響
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25462347
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
熊谷 研 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10468176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 知行 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30170517)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / 軟骨分化 |
Research Abstract |
PTH/PTHrP 受容体は軟骨細胞に存在しPTHは軟骨細胞に対して生理的な作用を有することが知られているが、PTHがMSCの軟骨分化にどのような影響を及ぼすか不明な点も残されている。本研究ではPTHと軟骨分化に関する先行研究の成果をふまえ、「PTHがMSCからの軟骨分化を促進する」という仮説のもとに研究を行う。今年度はMSCを軟骨分化誘導する場合、PTHの投与量に相関して軟骨分化が促進されるか調査した。 マウス骨髄由来MSCを用いてペレット培養法にて軟骨分化誘導した。軟骨分化誘導培地にPTHを0.1nM, 1nM, 10nM, 100nMそれぞれ投与し、3週間培養を行った。軟骨分化に対する作用について組織およびリアルタイムRT-PCRでCollagen type II α1(Co2a1)、Collagen type X α1 (Col10a1)、Collagen type I α1(Col1a1)、Sox9、Smad3、type 1 PTH/PTHrP receptor (PTH1R)のmRNA発現を評価した。 アルシアンブルー染色とII型コラーゲン免疫染色では低~中等度用量(1nM, 10nM)のPTH では対照と比較して強い染色性が確認されたが、高用量(100nM)では染色性は減弱した。mRNA発現を解析した結果、MSCの軟骨分化誘導は低~中等度用量のPTHにより促進される一方、高用量のPTHでは軟骨分化は抑制された。PTHによるMSCの軟骨分化に対する作用はPTH受容体の発現と相関し、転写因子Sox9の発現を介するものであるが、Smad3発現とは独立したものであることが推察された。 以上の結果より、低~中等度用量のPTHがMSCからの軟骨分化誘導を促進することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究モデルの作製が予定通り行われ、当該年度に予定していた解析をほぼ行うことができ、一つの結論を導くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の結果を踏まえ、PTHの投与方法の違い(間欠または連続投与)が軟骨分化に及ぼす影響について調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①本年度予定していた実験の一部が行えなかったため。この分は来年度にあらためて行う。②次年度の実験に使用する消耗品等の費用の見積が当初の予定を上回るため。 上記理由により、繰り越し分と年度分として請求した助成金と合わせた額が今年度必要になっている。 細胞培養、PCR関連や抗体等の試薬、その他消耗品、学会発表のための旅費に使用する。
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