2013 Fiscal Year Research-status Report
フラボノイドを用いた前立腺癌再燃の予防とドセタキセル感受性増強への応用
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25462472
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 准教授 (50248580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小中 弘之 金沢大学, 大学病院, 講師 (40334768)
泉 浩二 金沢大学, 医学系, 助教 (80646787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン受容体 / 2'-hydroxyflavanone / DHEA |
Research Abstract |
H25年度はフラボノイドは様々な癌腫で抗腫瘍効果があることがこれまで知られているが、前立腺癌での研究はほとんどないためandrogen感受性前立腺癌細胞 LNCaP、非依存性前立腺癌細胞 PC-3, DU145 にフラボノイドの一種であるフラバノンを添加して 抗腫瘍効果を検討した。PC-3、DU145では 2’-hydroxyflavanoneが非常に強い抗腫瘍効果を示した。この抗腫瘍効果はアポトーシスを誘導することで引き起こされていることが観察された。さらに、LNCaPでは 2’-hydroxyflavanone は中程度に増殖を抑制したが、アポトーシスを誘導させるまでには至らなかった。次に、2’-hydroxyflavanone は副腎性アンドロゲンDHEAから代謝されたandrostenedioneをtestosteroneに変換する酵素AKR1C3の活性を阻害すると報告されているため、LNCaPにDHEAを添加し、androgen receptor (AR)活性が阻害されるかを観察したところ、その効果が十分に観察された。しかし、controlとして添加したDHTによるAR活性誘導も2'-hydroxyflavanoneにより阻害されたことにより、2’-hydroxyflavanoneによるAR活性阻害は装うとことなく活性阻害機序が考えられた。実際、2’-hydroxyflavanoneはLNCaP細胞内で添加したandrosteroneがtestosteroneに変換されることを阻害しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物フラボノイドの一種である2'-hydroxyflavanoneが前立腺癌に対してアポトーシスを介した抗腫瘍効果を発揮し、またアンドロゲン受容体の活性を阻害することを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果を基にして、フラボノイドによる抗腫瘍効果の分子生物学的機序をさらに明らかにするために、フラボノイド投与前後でRNAを前立腺癌細胞より抽出し、cDNAを合成後cDNA microarray法により発現の変化する遺伝子を同定する。フラボノイドで発現の変化する遺伝子の発現をRNA interference assayにてノックダウンまたは発現プラスミドを用いて強制発現させることで、増殖が変化するかを観察する。SCID mouse に前立腺癌細胞を皮下移植後、強制経口法にて効果的なフラボノイドを mouseに投与し、 in vivoでのフラボノイドの抗腫瘍効果の確認を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養およびDNA合成に使用する血清や試薬の費用が当初の予想よりも少なく済んだ為、残額が生じた。 平成25年度に得られた結果を基にして、引き続きDNA合成実験の試薬を購入する。また、SCID mouse の購入費用に追加する。
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Research Products
(1 results)