2015 Fiscal Year Annual Research Report
周閉経期女性における男性ホルモンの果たす役割についての検討
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25462596
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 敏之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (40230205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 寿美佳 徳島大学, 大学病院, 助教 (00622888)
苛原 稔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (20160070)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 周閉経期 / 男性ホルモン / 脂質・糖代謝 / レプチン / 肝機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホルモン補充療法(HRT)中の男性ホルモンの変化について、経口群ではDHEA-Sは有意に低下し、SHBGは有意に増加し、bioavailable T (bT)は低下する傾向を認めた。経皮群では、DHEA-Sは有意に低下し、総テストステロン(TT)およびbTは低下する傾向を認めたことから、投与ルートの差によって男性ホルモンの動態に違いがみられることが明らかとなった。 男性ホルモンと脂質・糖代謝については、free T (fT)およびbTは収縮期および拡張期血圧ともに有意な正の相関を認め、TT、fT、bTは中性脂肪と有意な正の相関、HDL-Cと有意な負の相関を認め、周閉経期女性における脂質代謝や血圧の変化にはTT、fT、bTが関係し、エストロゲンだけではなく、テストステロンも関与している可能性が示唆された。また、周閉経期におけるレプチンの動態を検討し,レプチンは希発月経の段階でピークを示したのち閉経後は低下し,fTやbTと有意な正の相関関係、SHBGと有意な負の相関関係を示した。周閉経期におけるhigh androgenicity とレプチン との間に何らかの関係を有することが明らかとなった。 骨代謝に関係するスクレロスチンは月経が不規則となった段階ですでに増加し,閉経後もさらに増加し、骨形成抑制作用のあるスクレロスチンがこの時期に増加していることが相対的な骨形成低下を引き起こし,骨密度低下に関係している可能性が考えられた。 周閉経期における肝機能の変化については、ASTとALTは周閉経期で異なる動態を示し,メタボリック症候群と関連するとされるAST/ALT比は不規則月経の段階で低く,その変化のパターンは中性脂肪と逆であった.AST, ALT, AST/ALT比からみると、メタボリック症候群の発症はすでに周閉経期の時期から関与している可能性が示された。
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Research Products
(8 results)