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2014 Fiscal Year Research-status Report

吸収性ナノファイバーを応用した自家移植モデルにおける耳介形状軟骨の再生誘導

Research Project

Project/Area Number 25462806
Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

磯貝 典孝  近畿大学, 医学部, 教授 (90203067)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 楠原 廣久  近畿大学, 医学部, 講師 (50388550)
諸冨 公昭  近畿大学, 医学部, 講師 (10388580)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords軟骨再生 / ポリマー / ナノファイバー
Outline of Annual Research Achievements

26年度は、2種類の複合型スカフォールド(平坦型および耳介型)を作製した。スカフォールドに軟骨細胞を播種した後、大動物(イヌ)自家移植モデルに移植し、ナノファイバーおよび従来径PGA不織布が軟骨再生誘導および長期形状維持に及ぼす影響について比較検討した。検討には、肉眼的、組織的検索法を用いた。
実験プロトコール
(1)イヌ耳介軟骨より軟骨細胞を単離し、スカフォールドに播種(最終播種濃度:100×106個/ml)した。次に、塩基性線維芽細胞増殖因子(b-FGF)徐を含浸させたゼラチン微粒子(Isogai N, et al: J Biomed Mater Res 74:408-418,2005)を投与して、細胞・スカフォールド複合体に徐放化システムを組み合わせた。
(2) 耳介軟骨採取時と同様に、全身麻酔を行ない、耳介軟骨細胞を採取した個体と同一の個体に上記の処理を行った細胞・スカフォールド複合体を自家移植(浅および深側頭筋膜の間)した。
(3) 移植後5および20週目に標本採取し、肉眼的、組織学的および力学的検討を行った。組織学的検討では、HE染色(一般性状)およびSafranin O染色(プロテオグリカン産生能)を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

PGAは生体内における加水分解が早い特性があり、そのために足場材料として力学的強度の不足が課題であった。そこで、本年度の実験では、体内への埋入が可能で、すでに外科領域のヘルニア根治術や頭頚部領域の気管再建に臨床応用され、その有効性と安全性が担保されているポリプロピレンを細径PGA不織布に組み合わせて力学的強度を補強した。このポリプロピレン補強による複合型スカフォールドを大動物(イヌ)自家移植モデルに導入して臨床試用が可能な大きさと3次元形状を有する耳介形状軟骨の再生誘導を試み、in vivoにおいて細径PGA不織布が軟骨再生能および長期形状維持に及ぼす影響について検討した。
その結果、(1)平坦型スカフォールドを用いた実験より、細径PGA 不織布の繊維径が0.8~3µmの場合、良好な力学特性を有する軟骨が再生誘導された。また、(2)耳介型スカフォールドを用いた実験より、平均繊維径が0.8~3µmの細径PGA 不織布を用いることにより、耳介軟骨の軟骨再生は促進され、長期の3次元形状維持も良好となることが判明した。
ナノテクノロジー技術を導入して作製した細径PGA 不織布は、耳介形成手術における新しいオプションとして、将来重要な役割を果たすことが示唆された。

Strategy for Future Research Activity

再生誘導技術をヒトへ臨床応用するためには、免疫を有する大動物(自家移植モデル)において、臨床的に必要なサイズと耳介特有の形状をもつ軟骨再生誘導法の確立が急務であるが、その実験成績は未だに不良である。そこで本研究では、ナノテクノロジーを応用した足場材料の開発に焦点を絞って研究を進め、大動物(イヌ)を用いた自家移植モデルにおいてナノファイバー技術を導入した新たな軟骨再生誘導法を開発し、その有用性について検討した。
細胞周囲には、生体内の恒常性を維持する分子集合体が細胞外マトリックスとして存在している。この細胞外マトリックスは、高次の組織を構築する上で、重要な役割を担っており、マイクロサイズの骨格とナノサイズの繊維で構成されていることが知られている。 ナノ~マイクロサイズの混合繊維からなるナノファイバーは、細胞外マトリックスに類似したサイズと構造を有するため、生体組織の再生誘導を促進する足場材料として至適であることが推測され、現在、再生医療、薬物徐放システム、医療器具など多岐に渡る領域において次世代の生物工学的バイオマテリアルとして注目されている。
一般にポリエステル系の生体内分解吸収性合成高分子であるPGAは、分解の過程でグリコール酸を放出するため、局所のpH上昇によって炎症が惹起され、過度の炎症は再生遅延や組織破壊を引き起こすことが報告されている37,38。一方、ナノファイバー化されたPGAでは空隙率(単位体積あたりに繊維が占める割合)が90%以上であり、PGA重量は少ない。また、極細化により足場材料の生体吸収時間は短縮され、局所的炎症が生じにくいことが予測される。今後の研究において、軟骨再生能と細径PGA不織布に由来する炎症反応について検討を予定している。

Causes of Carryover

組織標本作成費用が安価ですんだ為

Expenditure Plan for Carryover Budget

薬品購入に使用予定

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] ヒトたち耳および小耳症軟骨細胞を用いて誘導した再生軟骨とその長期移植成績2014

    • Author(s)
      中尾仁美
    • Journal Title

      近畿大学医学雑誌

      Volume: 39 Pages: 141-150

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] OP-1 徐放化システムを併用してヒト耳介軟骨細胞を誘導した再生軟骨の長期移植成績2014

    • Author(s)
      中尾仁美
    • Organizer
      第4回DDS再生医療研究会
    • Place of Presentation
      東京(日本歯科大学)
    • Year and Date
      2014-12-06 – 2014-12-06
  • [Presentation] Plastic and Reconstructive Surgery2014

    • Author(s)
      磯貝典孝
    • Organizer
      International Summer University
    • Place of Presentation
      Prishtina, Kosovo(University of Prishtina)
    • Year and Date
      2014-07-07 – 2014-07-09

URL: 

Published: 2016-05-27  

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