2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロウェーブ照射による新しい脳損傷モデルの病態解析
Project/Area Number |
25462835
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
布施 明 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80238641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 映 日本医科大学, 医学部, 助教 (10333113)
松田 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (20363187)
横田 裕行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60182698)
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロウェーブ / 脳損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験頭部外傷の新しいモデルの作成を目的としている。マイクロ波は電磁波の一種であり、電子レンジや携帯電話、医療用には深部の温熱療法として広く普及している。マイクロ波が脳に与える影響について、携帯電話の発するマイクロ波が脳に及ぼす慢性の変化について、病理組織学的、生化学的、行動学的に多くの研究がなされてきた。一方で、誤って過度のマイクロ波を被曝したことによる外傷や死亡例が報告されている。高出力の被曝によって、急性期の変化が起こることは1970年代前半に報告されたが、いまだ高出力のマイクロ波照射が急性期に脳に与える影響は明らかになっていない。 高出力のmicrowaveをラットの頭部に照射し、脳損傷を病理組織学的に評価した。 ラットを全身麻酔下に頭部を固定し、3.0kWのマイクロ波を0.10秒間、頭部に照射した。照射24時間後(n=3)、3日後(n=3)、7日後(n=3)、14日後(n=3)、28日後(n=3)および非照射群(n=3)の脳を摘出し、ホルマリン固定を行った。脳の神経細胞数の変化を知るためH-E染色を行い、大脳の各部位 (側脳室脈絡膜、皮質運動野、海馬(CA1およびCA2))における神経細胞数を計測した。 31匹のラットにマイクロ波の照射を行い、24時間以内に6匹(18.8%)が死亡し、28日以内に15匹(48.4%)が死亡した。H-E染色での神経細胞数の変化は、CA1において対照群と比較し28日後のみ有意な減少を認めた(60.7 vs 50.6, P=0.0358)。 H27年度はアポトーシス発現についての検討を行ない、Microwave照射による脳損傷の病態解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般的な病理学的検索についての検討が終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
アポトーシスの発現を今後検討する予定である。
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Causes of Carryover |
予算を越えないよう留意した際、差額が生じた為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越し、研究費として有効に活用する。
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Research Products
(1 results)