2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔前癌病変と扁平上皮癌の細胞解析による早期診断システムの構築
Project/Area Number |
25462852
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸野 万伸 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60346161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 正也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10281130)
鈴村 侑子 大阪大学, 歯学部附属病院, 技術職員 (50648748)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 扁平上皮癌 / 前癌病変 / 細胞診 |
Research Abstract |
本邦において口腔癌による死亡者数は30年前と比較して2倍以上に増加している。この傾向は若年層を含めどの年齢層においてもみられることから、癌の早期発見という点で問題があると考えられる。一方、口腔領域における細胞診の普及率は現状ではまだ低いが、癌を早期に発見するための一つの方法として、歯科診療の場や口腔癌検診等で用いられるようになってきている。本研究では、口腔粘膜擦過細胞診で得られた検体から、細胞形態学的・免疫組織化学的解析および遺伝子変異の検索をすることにより、細胞診断システムを構築することを目的とする。 平成25年度は、大阪大学歯学部附属病院の病理診断データベースから歯肉扁平上皮癌症例を抽出し、癌関連蛋白・増殖マーカーに関する免疫染色所見も含めてデータベースの再構築を行った。癌関連蛋白質については、癌の増殖能、細胞周期、アポトーシス、免疫等に関連する蛋白を免疫組織化学的染色により検出した。具体的にはKi67, p16, p21, p53, cyclin D1, EGFR, IMP3, E-cadherin, Laminin5γ2, HLA-1, CD3, CD4, CD8, CD68に対する抗体を用いて染色し、予後データとの相関について解析した結果を「口の難病プロジェクト・2013年度進捗状況報告会」にて発表した。 細胞診については、組織学的診断結果の出ている症例を細胞診データベースから抽出し、他施設と共同で「細胞診の正診性に関する研究(倫理委員会にて承認済H25-E15)」として、細胞診標本の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部分的ではあるが、扁平上皮癌の組織解析結果も出ている。細胞診標本の検討も比較的順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
扁平上皮癌のデータベースを充実させ、その免疫組織化学的解析結果から、細胞診標本への応用を検討する。また、細胞診断については、ただいま作成中の細胞診ガイドラインにより診断基準をより明確なものとし、形態学的解析を加えて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に使用する消耗品(試薬類)と旅費について、予算よりも節約することができた。 研究の遂行のために、消耗品(抗体・試薬類等)に費用がかかることが予測されるため、物品費の増額分とする。
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Research Products
(2 results)