2014 Fiscal Year Research-status Report
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25462993
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
権田 知也 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30324792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯科補綴学 / 部分床義歯 / 欠損拡大防止 / 咬合支持 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の欠損に関しては,特定の欠損形態において,より欠損が進み,咬合崩壊が起こるといわれており,補綴学的な難症例に対する考え方が注目されてきたものの,ほとんどが経験的に述べられているに過ぎず,成立機序および欠損拡大を防ぐ方法については,ほとんど検討されていない.そこで,欠損に応じた歯に加わる応力の特徴,また特定の歯に応力を集中させない対応策を明らかにし,欠損拡大を防ぐことをめざしている. 一昨年度製作した実験に使用するセンサとそれを使用した実験用模型を用いて,昨年度は部分欠損歯列における残存歯に加わる応力を計測し,検討を行った.各種欠損状態を設定し,欠損の進行に伴う,残存歯に加わる応力の比較検討を行った.また,下顎3-3残存の遊離端欠損において,模型に適合する部分床義歯を製作し,遊離端義歯装着の有無による残存歯に加わる応力の比較検討を行った. また,臨床的な環境である口腔内での検討については,引き続き,部分床義歯を装着している既存の患者に対し,咬合力測定用シートを用いて,咬合力を計測した.被験者となった患者に関して口腔内撮影用カメラにより口腔内および義歯の写真を記録し,データを集積している. また,日本補綴歯科学会やAsian Academy Prosthodonticsなど学会に参加し,情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,模型上での力学実験を行った.各種欠損状態において,データ収集を行い,データが蓄積でき,欠損状態による,残存歯に加わる応力の違いを検討するための結果が得られつつあると思われる.また,口腔内実験については,咬合力と口腔内写真について,データの蓄積を進めており,予定通りの進行と思われる.さらに,各学会での情報収集については,日本をはじめ,海外でも,非常に有意義で有り,様々な情報や意見交換を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
3年目については,これまでの実験準備および模型実験をもとに,さらに実験条件,特に他の欠損形態における義歯装着状態の検討を進めるとともに,これまでの結果をまとめ,一定の結論を導く予定にしている.昨年度は下顎3-3残存の欠損状態でのみ義歯装着の影響を検討したが,本年度は例えば下顎両側67欠損など,他の欠損形態でも義歯装着による残存歯に加わる応力を検討する予定である. また,欠損状態が残存歯に加わる応力に及ぼす影響を検討する口腔内実験については,前年度に引き続き,部分床義歯を装着している患者に対し,咬合力を計測し,さらにデータを蓄積する予定である. さらに,これまでの結果をまとめ,学会発表および論文発表を予定している.
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Research Products
(2 results)