2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463004
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安陪 晋 徳島大学, 大学病院, 助教 (10359911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 善貴 徳島大学, 大学病院, 医員 (40581393)
大倉 一夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70304540)
野口 直人 徳島大学, 大学病院, 助教 (80564286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠 / 頭頸部筋群 / 筋活動 |
Research Abstract |
平成25年度は睡眠中の生体活動計測のための研究環境整備を行った.本研究は,睡眠中の咀嚼筋群の筋活動が頭頸部筋群におよぼす影響を調査することを目的としている.そのため,測定装置の備品および消耗品を購入した.また,睡眠解析ソフトウェアによる解析方法の検討および今後の研究打ち合わせとして,本研究代表者がモントリオール大学に出張した. 当初は研究協力講座の睡眠生体活動測定装置を利用して行う予定だったが,モントリオール大学の睡眠ポリグラフシステムの方が本研究に十分適合し,また新たな解析方法が組み込まれているため,汎用性および実用性において優れていると考えた.そのため,新たに購入した測定装置および解析システムの構築・実用化を目指し,研究環境の整備を行った.現在は睡眠解析ソフトウェアを用いて,モントリオール大学の睡眠データを解析し,ソフトウェアの使用方法を確認している.これは平成26年度以降に行う予定であるCyclic Alternating Pattern解析を導入するためのものである. また,当大学職員および研修歯科医師に,起床時の頭頸部筋群の疲労に関しての問診を行い,平成26年度より始まる研究の被験者として協力を依頼した. 今後は測定装置の動作確認とプレ測定を半年以内に行い,研究依頼した被験者の睡眠計測を順次行っていく.また,計測データに関しても睡眠解析ソフトウェア上で十分な解析が出来るかどうかを検証し,随時解析を行う.そして,本研究の目的である睡眠中の咀嚼筋群の筋活動と頸部筋群の筋活動の関連を明らかにしていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究に関しては,十分に達成していないと考えられる.初年度には,協力講座の睡眠生体活動測定装置を利用し,今までとは異なる頸部筋群の測定を行い,測定方法の検討を行う予定だった.しかし,新たに睡眠生体活動測定装置を購入することになったため,未だ測定方法の検討を行うことが出来ていない.そのため,プレ実験もできず,測定方法や解析方法に対しては十分なFeedbackを行っていない. 今回,新たに睡眠生体活動測定装置を購入した理由は,数多くの測定可能チャンネルを有しており,同時に数多くの生体リズムの計測が可能な点である.また,この測定装置は軽量で持ち運びが容易であるため,室温などが一定に保たれ防音設備の整った睡眠検査室だけではなく,自宅などでの測定を行うことが出来る.そのため,様々な条件での実験が可能であり実用性が十分にあると考えられる.さらに,研究代表者の留学先であったモントリオール大学がこのシステムを利用しているため,測定データの解析に関してモントリオール大学のLavigne教授と十分に検討できると考えた. 研究代表者は平成25年度にモントリオール大学に行き,実際の使用方法と解析手順について話し合いを行った.これは今後の測定および解析に有用であり,十分な成果を期待できると考える.また,モントリオール大学で測定したデータを持ち帰り,今後の解析手順に沿って睡眠解析ソフトウェアの使用確認を行っている.現在は解析データの検討し,解析項目の見直しをしている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的である睡眠中の咀嚼筋群の筋活動と頸部筋群の筋活動の関連を明らかにするため,今後の研究に対して4つの推進方策を策定した. 新規購入した睡眠生態活動測定および解析システムの構築:測定装置を平成26年の10月までに構築する予定である.睡眠解析ソフトウェアは現在使用確認を行っており,モントリオール大学からの睡眠データを利用して,測定項目の見直している. 咀嚼筋群および頸部筋群の筋活動解析項目の見直し:咀嚼筋群の解析には咬筋の筋活動量を用いる.これはLavigneの方法に準じて咬筋筋活動の筋電図波形を3つのタイプに分類する.頸部筋群の解析には僧帽筋と胸鎖乳突筋の筋活動量を用いる.これはWestgaardの方法に準じて行う.それぞれ抽出した咀嚼筋群筋活動と頸部筋群筋活動がどのような関係にあるかを睡眠ステージ毎に解析する.また,咀嚼筋群の筋活動とCyclic Alternating Patternの関係はすでにMacalusoによって報告されているが,頸部筋群の筋活動とCyclic Alternating Patternの関係はまだ報告がないため,これについて解析を行っていく. 2夜連続の睡眠実験:睡眠実験は自宅もしくは睡眠実験室にて2夜連続行い,第2夜目を解析対象とする.第1夜目は睡眠実験室の環境および全身に貼付した電極になれることを目的とする.第2夜目はこれらの環境になれたとみなし解析対象と考える.自宅で測定する場合も同様である. 睡眠と痛みに関する質問票の記入:被験者には睡眠第1夜目と第2夜目の就寝時と起床時にそれぞれ睡眠と痛みに関する質問票に記入してもらう.睡眠の質に関しては“Pittsburgh Sleep Quality Index”痛みに関しては“MPQ(McGill Pain Questionnaire)”を用いて,解析した睡眠データとの相関関係を調べる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度では,研究協力講座の睡眠生体活動測定装置を利用して行う予定だったが,実験内容を再考したところ,新たな睡眠生体活動測定装置と解析システムを購入を予定している.そのため,当該年度に購入予定だった解析ソフト(147万円)を見送り,新規購入したが平成26年3月納品ため支払いが完了しておりません.また,新規購入する予定だったPCに関しては12万円を計上したが,解析システムとの兼ね合いから見送ることにした.そのため,当該年度の計上金額とかなりの差額が生じた.当該年度の旅費に関しては28万円を計上していたが,海外での発表と研究打ち合わせの費用で約31万円消費し不足を生じてしまった.また,人件費に関して,当該年度ではプレ実験を行わかったため,30万円を計上していたが,使用することなかった. 以上の理由から,次年度使用額が生じた. 当該助成金の差額の9割程度は平成26年3月に納品した測定装置の費用で,平成26年4月に支払い完了となる.また,新たな測定装置を購入したため,動作試験を確実に行う必要があるため,人件費が発生すると考える.つまり,当該年度で行えなかったプレ実験を,次年度で行うため,差額を次年度で全て消費する. 測定システムの新規構築のため,当該年度で予定した内容を次年度に行うため,実験計画に支障はなく遂行できると考える.
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Research Products
(7 results)